著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
先週(5日〜12日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比152,666円(3.89%)安の3,771,000円。大口投資家やマイナーの利食い、さらにはイーサ(ETH)相場の下落で一時は350万円割れを試しに行ったビットコインだったが、9日米時間には株高によるリスクオンが波及する形で切り返し、370万円台を奪回。この日は米連邦準備理事会(FRB)の金融政策レポートで「暗号資産(仮想通貨)市場の上昇が市場参加者のリスク選好度の増加を反映している」と、初めて仮想通貨を名指しにして懸念が示されたが、市場の反応は軽微だった。
週末は、目星い材料もでず、ビットコインは小動きとなったが、今朝方に380万円乗せをトライ。しかし、シカゴマーケンタイル取引所(CME)でBTC先物の取引が始まると上値を抑えられ、週足終値での380万円維持には失敗した。
第1図:BTC対円チャート 1分足 出所:bitbank.ccより作成
今週は13日から14日にかけての米物価に関する指標が注目材料となろう。
市場予想では、米消費者物価指数(CPI)は前回比でやや低下する見込みではあるが、前年同月比で4.9%、コア指数は4.0%と引き続き強めの予想となっている。また、今週14日には卸売物価指数(PPI)とベージュブック(米地区連銀経済報告書)といった物価や雇用動向のヒントを得られる材料が豊富となっている他、14日と15日にはパウエルFRB議長の議会証言も控えており、週央にかけて相場のボラティリティが上昇しそうだ。