著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
28日のビットコイン(BTC)対円相場は300,197円(9.46%)高の3,472,251円と急反発し、前日の下げ幅を完全に奪回した。アルトコインも全面高となり、柴犬をモチーフとするドージコイン(DOGE)には、ゲームストップ株のショートスクイーズを再現しようとRedditの個人投資家が殺到し、一時260%強高と暴騰した。
前日のBTC相場は、アジアから欧米の株式市場の下落を受けたドル高の影響で一時30,000ドル(≒312万円)を割り込む場面があったが、「テーパリングの議論は時期尚早」との米連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言が好感され下げ幅を縮小し始めた。
28日のBTC相場は東京市場時間からこの流れを引き継ぎ、Reddit勢によるDOGE相場の押し上げも個人投資家の資金流入を想起させ、対ドルで節目32,000ドル(≒333万円)手前の水準まで戻した。欧州市場序盤には一時相場が押す場面もあったが、欧州株の切り返しを眺めBTCも持ち直すと、NY時間にはドル安に加えDOGE相場が更に騰勢を強めたことが追い風となり、前日の下げ幅を回復。今朝方には米コインベースが直接上場の計画を発表すると、33,000ドル(≒344万円)台に乗せ34,000ドル(≒354万円)にタッチした。
第1図:BTC対円チャート 1分足 出所:bitbank.ccより作成