著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

8日のビットコイン(BTC)対円相場は87,965円(4.4%)安の1,910,795円。前日から相場は、ブレグジットを巡る自由貿易協定(FTA)協議の難航が一時的なドル高要因となり、心理的節目の200万円を割り込んでいた。

東京時間のこの日の相場は200万円にタッチすると反落し、対ドルで節目の19,000ドル水準(≒198万円)を割り込むと一段安となり、欧州時間には195万円を一時割り込んだ。その後はドルインデックスが乱高下するのに連れて197万円周辺で揉み合いを演じたが、NY時間後半からドルが下げ一服となり戻しだすと、BTCは再び上値を重くし、今朝方には再度下げ足を速め二段安。昨日は米主要3指数が上昇し金(ゴールド)も買われる中、BTCは軟調地合いとなった。

昨日はイベントというイベントは確認されなかったが、巷ではMt.GoxのBTC売りが警戒されている模様だ。15日はMt.Goxの再生計画案提出期限となっており、現物BTCで債権者への返済が行われるか否かが注目される。返済が現物で行われないとなると、150,000BTCが売りにだされる可能性があるという訳だ。そもそもは現物での返済を求める債権者が多くいたため、破産手続きから民事再生に移行している背景もあるが、本件については念のため注意しておくべきか。

第1図:BTC対円チャート(1分足)、前日平均値・4本値、騰落率、出来高 出所:bitbank.ccより作成

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本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限らない。