著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
8月第2週(3日〜9日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比64,997円(5.53%)高い1,239,436円と、終値ベースでは19年7月ぶりの水準につけた。米リップル社と決済大手のスクエア社の好決算を受け、先週の暗号資産(仮想通貨)市場はビットコインとアルトコイン共に堅調。また、5日発表のADP雇用統計がネガティブ・サプライズとなりドルに下押し圧力が掛かると、BTCが市場の上昇を牽引し全面高の様相を呈した。一方、7日発表の米労働省雇用統計で非農業部門雇用者数前月比が市場の予想を上回る結果となると、ドルに巻き戻しの力が働きBTCの上値を抑える格好となったが、雇用市場の回復ペースが前月から大幅に鈍化したこともあり、この日のBTC相場は僅か0.77%安と影響は軽微だった。ドルのフローが注目される中、伝統的金融市場が閉まる週末の相場は122万円〜125万円で揉み合いに終始。週明け10日はアジア時間に一段高で一時127万円台に乗せるも、欧州時間序盤でのドル高の流れに耐えきれずマイナス圏に沈んだが、これによりシカゴマーケンタイル取引所(CME)のBTC先物相場が窓埋めを完了すると、押し目買いの様相で反発。この日は仮想通貨投資運用のグレイスケールが米国でテレビCMの放映を開始したとの報も好感され、終値は前日比22,563円(1.82%)高の1,261,999円につけた。
第1図:BTC対円チャート(1分足)、前日平均値・4本値、騰落率、出来高 出所:bitbank.ccより作成