著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

8月26日〜9月1日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比848,842円(9.17%)安の8,409,678円と反落した。一方、8月のBTC円は一時-27.88%と大きく下げたが、月足終値は-11.05%の8,632,879円に止まり、長い下ヒゲを付けた。

先週のBTC円は900万円台前半から緩む地合いとなると、ドル建てBTC相場が200日移動平均線や62,000ドルのサポートを割り込んだことで、27日には売りが加速し850万円周辺まで押された。

29日には、第二・四半期の米GDP成長率が上方修正されたことで、景気後退懸念が一層緩和したものの、CMEのBTC先物が窓埋めを達成すると900万円回復を目前に戻り売りが入った。

翌30日、BTC円は850万円から徐々に戻りを試したが、7月の米個人消費支出(PCE)価格指数やミシガン大学の消費者信頼感指数が概ね市場予想と一致したことで、米連邦準備理事会(FRB)による大幅利下げ観測が後退し、再び850万円下抜けを試した。しかし、インフレの鈍化と米経済のゴルディロックス状態が米株の支援となると、BTC円も切り返し、結局は方向感に欠ける展開となった。

一方、週末の相場は後半にかけて小緩む展開となり、相場は850万円近辺で動意に欠ける展開。今朝方にCMEのBTC先物が取引を再開すると、やや売り優勢の地合いとなり、850万円を僅かに下回った。

第1図:BTC対円チャート 出所:bitbank.ccより作成

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