著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

6月24日〜6月30日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比26,846円(0.27%)安の10,102,220円と、終値ベースではほぼ変わらずだった。

先週はMt.Goxの管財人事務所が7月からの弁済開始を発表し、BTC円は週明けから1000万円を割り込み、下値を模索する展開を演じたが、その後は反動高で戻りを試した。しかし、心理的節目で、ドル建てで6.2万ドル周辺の水準となる1000万円で相場は上値を抑えられ、週央は揉み合いに転じた。

28日には、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注目する5月の米個人消費支出(PCE)価格指数が発表され、結果は市場予想通り+2.7%から+2.6%と伸びが鈍化したが、①30日のフランス総選挙1日目を控えた政局不安による欧米国債利回りの上昇、②米大統領選の第一回テレビ討論会でトランプ前大統領が優勢となったからか、財政支出拡大懸念で米国債相場が下落(利回りは上昇)、③米債利回りの上昇を受けた米株の反落などがBTC相場の重石となり、BTCは上値追いに失敗し反落した。

しかし、相場は60,000ドル水準(≒965.3万円)周辺で下げ止まると、週末には28日の下げ幅を縮小。直接の関係があるか定かではないが、米国の予想市場でバイデン大統領が大統領選を離脱する可能性が上昇した他、仏総選挙の即日開票で極右政党の国民連合(RN)が首位に立ったことが報道されると、相場は1000万円を回復した。

第1図:BTC対円チャート 出所:bitbank.ccより作成

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