著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

19日〜25日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比74,567円(2.69%)安の2,700,652円と2週続落。対ドルでは今年初めて節目の19,000ドル(≒273万円)を週足終値で割り込んだ。

23日から本邦が3連休に入る中、BTC相場は、米Rippleが米証券取引委員会(SEC)との裁判で勝訴するとの見込みからXRP相場の上昇に支えられる格好で、260万円台を維持し底堅い推移となった。一方、英トラス新政権の減税策発表を受けた同国の株、為替、債券のトリプル安でリスクオフが波及したことや、米マイニング企業Compute Northの破産申請を受け、BTC相場は上値を抑えられ、280万円回復には至らなかった。

ただ、先週は米連邦公開市場委員会(FOMC)への警戒感や、会合での年末と来年末の政策金利着地予想が大幅に引き上げられたことで米主要3指数が安値を広げる展開となったが、BTC相場はレンジでの推移に終始。この他にも、ロシアの部分的動員令、日銀の為替介入、英トリプル安、米逆イールド大幅拡大とアブノーマルな事象が立て続けに起こり市場が混乱する中、BTC相場は落ち着きを見せている。もっとも、景気後退に陥っても物価上昇に歯止めを掛けようとする動きが世界的に加速する中で無国籍通貨への需要が高まっているとは、相場の動きから鑑みても言い難く、どちらかと言えばリスクマネーがある程度抜けて市場が閑散しているという線が濃厚と指摘される。

第1図:BTC対円チャート 1時間足 出所:bitbank.ccより作成
 

続きはこちら

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限らない。