著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

6月30日のビットコイン(BTC)対円相場は35,687円(1.30%)安の2,710,904円と5日続落。ただ、安値からは6.95%の反発を演じており、下に長いヒゲを付けた。

米国の消費者信頼感指数低下によるリセッション懸念の加速で、週央からのBTC相場は節目20,000ドル(≒271万円)水準割れを試す展開を繰り広げた。昨日には、相場が若干戻りを試す様子を見せたが、朝方に米証券取引委員会(SEC)が、Grayscaleが申請していたビットコイン投資信託の現物ベースの上場投資信託(ETF)への転換を却下し反落。すかさず同社がSECを提訴したこともあってか20,000ドルで下げ止まるも、米個人消費支出(PCE)の発表を控え警戒ムードが広がり、米長期金利は低下、米株先物は急落となり、BTC相場もつられるように下げ足を速め20,000ドルを割り込んだ。

5月の米PCEは、前年同月比で4月から横ばい(6.3%)、コア指数は0.2ポイント低下し4.7%となったが、ヘッドラインは前月比で0.2%から0.6%に上昇し、全体的にインフレの高止まりが確認され、米連邦準備制度理事会(FRB)による積極的な金融引き締めの継続と消費への影響が払拭されず、BTCは19,000ドル(≒258万円)割れ。FTXがCelsiusの救済から手を引くとの報道もあり、一時は18,800ドル(≒258万円)にタッチした。

一方、今朝方には相場下落で増加したショートポジションを狩り取るような買いが入り、下げ幅の殆どを奪回している。

第1図:BTC対円チャート 1分足 出所:bitbank.ccより作成

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