著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
4月のビットコイン(BTC)対円相場は前月比23.49万円高(+ 33.98%)の92.6万円と、2月終値(92.4万円)を回復し、3月の下げ幅をかき消し大幅反発した(第1、2図)。4月上旬の相場は、ビットコインキャッシュ(BCC)とビットコインSV(BSV)の半減期を控え70万円から80万円周辺までジリジリと値を戻した一方、イベント通過後に両ネットワークのハッシュレートが激減したことが警戒感を誘い、BTC相場はジリ安に転じた。中旬にかけては、BCCとBSVのハッシュレートは下げ止まり、BTCのハッシュレートが堅調に推移すると、節目の70万円で押し目買いが入り反発。その後、ブルームバーグが、BTCがデジタルゴールドとしての地位を確立しつつあるとポジティブなレポートを発行したことを切っ掛けに買いが入り、80万円台を回復。半減期が間近(5月12日予定)に迫り根強い買い支えが続き、29日に相場は急伸し200日移動平均線(86.9万円)を上抜け、翌30日には2月26日ぶりに心理的節目の100万円にタッチした。足元では、目標達成感やRSIが「買われすぎ」水準となる70%を超えたことで利確売りに押され、30日の相場は上に往って来いとなった。
(第1図:BTC対円チャート 日足 出所:bitbank.ccより作成)
(第2図:BTC対円月次騰落率 出所:bitbank.ccより作成)