仮想通貨取引所バイナンスのジャオ・チャンポンCEO(通称CZ)は、中国でのP2P取引プラットフォームの取引高が1日で平均200~300万ドルあることを明らかにした。30日に配信したAMA(Ask Me Anything)の中で言及した。
バイナンスは今月に中国での人民元と仮想通貨のP2P取引プラットフォームの立ち上げを発表。当初はビットコイン(BTC)、イーサ(ETH)、テザー(USDT)の3通貨対応だったが、29日にはバイナンスコイン(BNB)も対象に加えることを発表したばかりだ。
1日200~300万ドルの取引高について、CZは「ラッキーなことにP2P取引は極めて好調」と強調する。中国からの取引高はさらに高くなるとの見通しを示した。
コインダンスのデータによれば、ローカルビットコインでの中国での取引高は10月19~26日で約1300万元(約180万ドル)だった。足元ではローカルビットコイン以上の取引高があることになる。
またアリペイやウィーチャットが仮想通貨関連の取引を禁止していることについて、視聴者から質問が出たが、「私たちはどのペイメントチャンネルからかまでは把握していないが、実体としては(取引プラットフォームは)機能している」とコメントした。
中国のブロックチェーン推進 「仮想通貨にプラス」
AMAの中では、先週の習近平発言についてもCZはコメント。中国のブロックチェーン技術推進は「仮想通貨にとって良いことだ」と評価した。
仮想通貨・ブロックチェーン領域への参加者が増えることは、業界にとってプラスだとの考えを示した。
ステーブルコインやデジタル通貨は仮想通貨とは違うのではないかとの視聴者からの指摘もあったが、「マネーをより使いやすくすることは、仮想通貨にもマネーが流れ込むことになる」と語る。
「マーケットを見てくれ、ビットコインは上昇したことは疑いないだろう。これはマーケットからの明確なジャッジメントだ」
またCZは「仮想通貨なしのブロックチェーンはあり得ない」との考えも示した。
「(中国政府は)仮想通貨のプロモーションをあまりしないようにするだろうが、インセンティブのないネットワークが、広く普及するとは思えない。(仮想通貨についても)様々な動きが出てくるだろう」
CZは中国には数多くのブロックチェーンプロジェクトがあると述べ、「今まで隠れていたようなプロジェクトも、より活発になるはずだ」と指摘した。