仮想通貨取引所バイナンスのCEOを務めるジャオ・チャンポン氏(通称CZ)は、地域ごとのヘッドクオーターを設立し、各国の規制当局と連携することを望んでいると話した。ロイター通信が27日に報じた。世界各国の金融規制当局のバイナンスへの風当たりが強まる中で、規制側への歩み寄りの姿勢を打ち出している。
CZは「いずれの地域でもライセンスを取得する」と述べ「今後は金融機関としての役割を果たしていく」と、中央集権的な管理体制に移行することをほのめかした。
同氏は「規制に明るい人材」が現れれば、自身がCEOを退くこともあり得るとも言及。先週にもSCB 10Xバーチャル・サミットで、CZ自身はエンジニアよりの起業家のために、規制に精通した人物の方が規制コンプライアンスに適した構造にシフトできると発言していた。
「私は4年間、この会社を率いてきたが、これはうまくいった。しかし我々はピボット(方針転換)を経験しなければいけない。規制に精通した人材の方がいいだろう」
バイナンスは米国法人のバイナンスUSが、IPOを模索していると報じられている。バイナンスUSは独立して運営されており、米国当局の規制下にある。
CZが以前、同社には「本部はない」と発言していたことを考えると、地域ごとのヘッドクオーターを設立するという発言は、やや意外な発言だ。2019年11月、当局が上海でバイナンスの家宅捜索したという報道が流れた際、バイナンスは本部オフィスの存在を否定した。
CZは現在、シンガポールに住んでいるが、記事執筆時点では、多くの従業員が異なる国に住んでいるため、バイナンスがどこを本拠地としているかは正確にはわかっていない。
「オフィスやHQは、SMSやMMSのように古い概念だ」と2019年にCZは語っている。