11月14日にツイッターのスペースで行われたAMA(Ask-Me-Anything)セッションで、バイナンスのチャンポン・ジャオCEO(通称CZ)は、仮想通貨ユーザーに自分の投資判断に責任を持ち、物事がうまくいかないときに他人にすべての責任を負わせるべきではないと主張した。

「ユーザーである以上、あなたにも責任はある。悪いことが起きたとき、その責任を全べて他人のせいにしていたら、決して成功はしないだろう。また、自分にとって常に一番責任のある人物、つまり自分自身をいつも見ているのだ」

この発言は、バイナンスがFTXで損をしたユーザーに返済すべきかどうかという質問に答えたものだ。AMAの参加者は、バイナンスがFTXに信頼性を与え、ユーザーに帰属する資金から利益を得た可能性があると主張した。質問者は、バイナンスがFTXのユーティリティ・トークンであるFTXトークン(FTT)を売却して得た資金を返すべきかどうかをCZに質問した。

バイナンスは2019年12月に初めてFTXに出資した。2021年7月には、1億ドル相当のバイナンスUSD(BUSD)とFTTのために株式を売却した。先週、バイナンスは今後数カ月かけてFTTをすべて売却すると発表した。しかし、FTXが流動性危機に陥り、破産を申請する前に、バイナンスは売却を完了することができなかった。

CZはこれに対し、バイナンスの取引の公共性を強調し、同社が早期にエントリーし、早期にイグジットしたこと、そしてどちらの取引も公開されていたたことを指摘した。「我々はそれを隠さなかった」と彼は言った。

また、バイナンスはFTTを少量しか売却していないと述べ、残りはまだ同社の手元にあり、他の人と同様に保有分の損失を出したとしている。

「5億8000万ドル分のFTTがあった。そのうちのごく一部を売却した。まだかなりの量を保有している。だから、私たちは非常に倫理的に行動したと思う」

CZは、バイナンスは業界内の成長のために、FTXのユーザーをできる限り助けようとすると述べた。一方で、「業界で何かあったときに、バイナンスがその代償を払わなければならないような状況を作りたくない」とも述べている。

最後にCZは、FTXの信頼性を高めた責任は、大口の機関投資家にあると指摘している。

「私たちを含むVC(ベンチャーキャピタル)投資家は、なぜ彼らに投資したのだろう?その非難は、実はある程度正しいと思う。FTXに投資したVCの投資家は皆、ミスを犯したし、その多くは非常にプロフェッショナルな投資家だ。なぜ、彼らはこの問題を発見できなかったのだろうか?」