仮想通貨取引所バイナンスのネイティブトークンであるバイナンスコイン(BNB)が時価総額でイーサに迫っている。
13日時点でBNBは600ドル付近を推移し、時価総額は920億ドルほど。イーサは2200ドル付近で推移しており、時価総額は2500億ドルとまだ開きはあるものの、BNBが猛追している。
$BNB volume > $BTC volume.
— Joe Grech (@JoeBGrech) April 12, 2021
Congrats @Binance @cz_binance pic.twitter.com/vLkdGBnnIt
さらにテクニカルで見た場合の勢いは非常に強く、バイナンスでのBTC/USDTペアの出来高を一時的に上回った。テザー(USDT)は世界最大のステーブルコインであり、BTC/USDTペアは仮想通貨ペアの中で最も流動性の高い取引ペアであり、このイベントは大きな出来事だ。
なぜBNBは急騰?
バイナンスコインが上昇しているのは、バイナンス・スマートチェーン(BSC)の人気が上昇していること、テクニカルでの強い勢いがあること、BSCとイーサリアムのプロジェクトのギャップがあることの3つが主な理由だ。

ここ数週間でBSCの取引量はイーサリアムブロックチェーン取引量の3倍に達している。
アジアをターゲットにしたDeFiエコシステムを構築しているベトナム最大のベンチャー企業Coin98によると、特に東南アジアではBSCの利用率が高まっているという。
3月後半まではBNB価格がイーサにはとても及ばなかったことを考慮すると、この価格の乖離がBNBを割安と捉えた可能性が高いだろう。さらにイーサのDeFiエコシステムや、BSCプロジェクトとの間にも大きな評価額の差がある。
そのため、BNBは過去2週間で急速に上昇している一方、ETHは2000ドル強で停滞している。
Wu Blockchainとして知られる中国の仮想通貨ジャーナリストは次のように説明する。
「BNBは600ドルという驚異的な数値を突破したが、イーサリアムの手数料は1ヶ月ぶりの低水準に落ち込んだ。BSCの取引量はイーサリアムの3倍だが、両者は競争関係にあるわけではない。BNBの上位10アドレスの保有率は88%以上で、ETHは20%だ。イーサリアムの将来は、EIP-1559と2.0のアップグレードにかかっている。バイナンスが心配しなければならないのは、政府の弾圧とハッカーの2つだけだ」
さらにトレーダーは、BNBがビットコインペアのあるレベルを超えると、爆発的に上昇すると予想する。
仮想通貨トレーダーのKaleoは次のように述べる。
「BNBがBTCペアのこのレベルを上抜けると、1000ドルに迫る爆発的な勢いにつながる可能性がある」

いずれ資本がイーサに戻る?
しかし、アジア最大級のDeFi特化ファンド、スパルタングループのマネージングパートナーであるケルビン・コー氏は、BSCプロジェクトがETHの評価額に近づくにつれて、資本がイーサリアムに戻ってくることを期待していると述べている。
同氏は、現在はBSCプロジェクトとイーサリアムプロジェクトの間には、大きな評価のギャップがあることを強調。このギャップが、BSCプロジェクトを市場にとって魅力的なものにしている可能性がある。
「BSCはDeFiサマーだ。パンケーキ(CAKE)やヴィーナス(XVS)などの多くのプロジェクトがある。イーサリアムのDeFiコインがなぜ冴えないのかというと、BSCコインとETHの同等品との間には、まだ大きな評価のギャップがあるからだ。このギャップが埋まるまでは、ETHのDeFiコインに資金が回転して戻ってくることはない」