仮想通貨取引所バイナンスは、社内の不正行為に関する情報に対して最大500万ドルの懸賞金を設定した。これは、同社の仮想通貨トークン上場に関して内部情報が漏洩し、価格操作が行われているとの指摘が相次いだことを受けた措置だ。

バイナンスの共同創業者イー・ヘ氏は2月5日のXの投稿で、ローニン(RON)がバイナンスに上場した後の価格急落を受けてコミュニティ内で「激しい議論」が行われたと指摘した。

Xのコミュニティメンバーからは、バイナンス内部からの情報漏洩が原因ではないかとの声が上がったが、イー・ヘ氏はバイナンスが調査した結果、ユーザーが取引所がトークンを受け取る準備ができていることを示すブロックチェーンデータを発見したという。

コインゲッコーのデータによると、ゲームに特化したブロックチェーンと同名のトークンであるRONは、バイナンスの上場発表に先立ち、1週間で30%以上の価格上昇を見せたが、上場発表後の1時間で18%下落し、当日は26%超下落した。

RONの7日間の価格チャート. Source: CoinGecko

この出来事の2週間前には、コインベースのディレクターであるコナー・グローガン氏が、バイナンスで上場される前の数分間にトークンを購入し、発表後にそれを売却するパターンを持つ複数のウォレットを発見したと指摘していた。グローガン氏は、これらのウォレットが上場に関する情報を持った「悪質な従業員」である可能性、あるいは取引所でのテスト取引の漏洩を発見したトレーダーである可能性を示唆した。

イー・ヘ氏は最近のXのスレッドで、バイナンスはトークン上場プロセスを全面的に見直し、不正なスタッフに関する情報に対しては最大500万ドルの懸賞金を提供すると発表した。イー・ヘ氏によると、トークン上場プロセスに関わるバイナンスのチームメンバーにはより厳格な管理が適用され、今後上場予定のプロジェクトに関する情報が漏洩した場合、初犯では警告が出され、再犯者は解雇される。

 Source: X

さらに、イー・ヘ氏は、トークン上場プロセスやその他の分野で不正行為を行ったバイナンスのチームメンバーに関する情報を提出した者には、1万ドルから500万ドルの懸賞金を支払うと付け加えた。バイナンスはまた、不正行為で解雇されたスタッフを雇用したプロジェクトを永久にブラックリストに登録するという。イー・ヘ氏は、各プロジェクトはバックグラウンドチェックのためにバイナンスに連絡すべきだと述べている。

イー・ヘ氏は、上場情報が事前に漏洩した場合、バイナンスはトークン上場をキャンセルすると警告した。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン