ビットコイン現物ETF(上場投資信託)の1日の総取引額が2月7日に10億ドル(約1500億円)を超えた。その中心にいたのが王者・ブラックロック。

ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ジェームズ・セイファート氏はブラックロックのビットコイン現物ETF「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)」が1日で3412万ドル(約50億7500万円)の取引量を記録したと報告した。この数字はグレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)の2965万ドル(約44億1000万円)を上回った。一方、フィデリティのFBTCファンドは2億ドル(約300億円)で第3位、残りの7つのファンドは1日の取引量で1億8800万ドル(約270億円)を記録し、合計で10億ドルを超えた。

ブラックロックが王者としての貫禄を見せるが、セイファート氏は総取引額が10億ドルを超えることはビットコイン現物ETFにとって「大したことではない」とコメントした。「取引量は増加しているが、取引開始の最初の数週間とは比べものにならない」とのべている。

一方で、GBTCからの資金流出が続く中ビットコイン現物ETF市場全体への資金流入は9日連続で増加している。資産管理会社ファーサイドのデータによると、GBTCは2月7日に8100万ドル(約12億円)の資金流出を記録したが、他の9つの現物ビットコインETFは2億2600万ドル(約340億円)の資金流入となった。

ブラックロックは5600万ドル(約80億円)の資金流入となったがフィデリティのファンドは1億3000万ドル(約190億円)増加し、ビットワイズへの流入は2100万ドル(約30億円)にとどまった。

2月8日、著名な投資家であるフレッド・クルーガー氏は、新たに立ち上げられた9つのETFファンドの合計ビットコイン保有量が最大の企業保有者であるマイクロストラテジーの保有量を上回ろうとしていると指摘する。ETFファンドは2月7日時点で約18万7000BTCを保有しており、マイクロストラテジーは1月にさらに850BTCを取得し、19万BTCを保有している。

「ETFは世界の資産を飲み込む勢いだ。彼らにとってビットコインはデザート程度のものだ」とクルーガー氏は語った。

また、フィデリティはビットコイン現物ETFをオールインワン・コンサーバティブETFに割り当て始めたと報じられている。ETFアナリストのエリック・バルチュナス氏はいい兆候だと評価している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン