ベラルーシでは仮想通貨関連の法令が改定され、特定の仮想通貨取引所は、顧客データを当局へ提出する義務を負うようになる見込みだ。フォークログが1日に伝えた。

 ベラルーシのデジタル経済発展令が改定されれば、国内のハイテクパーク(HTP)に拠点を置く仮想通貨取引所を対象に、顧客データの提出が求められるようになる。

 フォークログはロシアのニュース機関RIAノーボスチの記事を引用し、HTPで仮想通貨取引所を開設する会社は、運営体制、顧客氏名、そして通信履歴に関する情報を提出しなければならないと説明する。それらのデータは最低5年間保存され、場合によっては新規顧客に対し本人確認の義務も求められる。引用元のRIAノーボスチの記事は次のように伝えている。

「(受益者は)犯罪歴があってはならず、個人に対する破産手続きや、破産の兆候があってはならない。口座には利用可能かつ出所が確認されている資金が、最低500万ドル(約5億5000万円)あることが求められる」

 フォークログは、仮想通貨取引所はリスク管理責任者、企業コンプライアンスの専門家、テクニカルディレクターを雇うことや、現在の金融基準に準拠しなければならないことにも言及している。これらの改定がいつ実施されるかは明らかになっていない。

 HTPはベラルーシ版の「シリコンバレー」のようなテクノパークであり、入居企業は88社。23年1月1日まで税制優遇措置を受けられる。現在ベラルーシで仮想通貨取引所を運営するにあたり、ベラルーシの銀行が仮想通貨を取引するためのインフラを整えられていないことが問題の1つとなっている。

 ベラルーシでは今年3月末に仮想通貨会計基準が導入された。昨年12月には、ベラルーシ大統領アレクサンドル・ルカシェンコ氏が、ブロックチェーンと仮想通貨の発展を支援する、デジタル経済発展令を承認した