仮想通貨企業バックト(Bakkt)の株価が3月18日に27%急落した。これは、バンク・オブ・アメリカとウィブルの2社が商業契約の更新を行わないと発表したことを受けたものだ。
3月17日に提出された規制当局向けの文書によると、バンク・オブ・アメリカは、4月22日に契約が満了した後の更新を行わないと通知していたことが明らかになった。さらに、ウィブルも6月14日で契約を終了することを決定した。
バンク・オブ・アメリカは、2024年9月30日までの9カ月間でバックトのロイヤルティサービス収益の17%を占めていた。一方、ウィブルは同期間の仮想通貨サービス収益の74%を占めていた。
この発表を受け、バックトの株価(BKKT)は3月18日に急落し、終値は前日比27.28%下落の9.33ドルとなった。さらに、時間外取引で2.25%下落し9.12ドルにまで落ち込んだ。
バックトの株価 Source: Google Finance
この結果、バックトの株価は2021年10月29日につけた史上最高値である1063ドルから96%以上の下落となった。
バックトは、以前発表していた決算説明会を2度延期しており、最新の日程は3月19日に設定されている。
同社は2018年にインターコンチネンタル取引所(ICE)によって設立された。ICEはバックトの55%の株式を保有しており、ニューヨーク証券取引所(NYSE)の親会社でもある。
こうした状況の中、少なくとも1つの法律事務所がバックトに対する集団訴訟を検討している。ハワード・G・スミス法律事務所は、バックトが米証券法に違反した可能性があるとして、法的措置を準備していると発表した。
この訴訟は、バンク・オブ・アメリカおよびウィブルとの契約終了、決算発表の延期が株価下落を引き起こし、投資家に損害を与えたという主張に基づいている。
バックト、バンク・オブ・アメリカ、ウィブルの3社は、現時点でこの件に関するコメントを発表していない。
昨年11月、バックトの株価は162%以上急騰し、29.71ドルまで上昇した。その後も16.4%上昇し、34.59ドルをつけた。これは、ドナルド・トランプ氏のメディア企業がバックトの買収交渉を進めていると報じられたことによるものだった。
一方で、昨年6月には親会社がバックトの売却または分割を検討しているとブルームバーグが報道していた。
さらに、バックトは昨年3月にニューヨーク証券取引所(NYSE)から警告を受けていた。同社の株価が30営業日連続で終値が1ドルを下回り、上場基準に違反したことが原因とされている。