ニューヨーク証券取引所(NYSE)は、仮想通貨の保管・取引プラットフォームであるバックト(Bakkt)が平均終値を1ドル以上に戻さなければ上場廃止の措置を取ると警告した。

バックトは3月13日の発表で、過去30日間の取引期間にわたって株価が平均で1ドルを下回ったため、NYSEの上場規則に違反していると通知されたと報告した。

3月13日の取引終了時には60セントで、その日は2.8%上昇したものの、1ドルを超えていた1か月前からほぼ42%も下落した。2021年10月下旬には40ドルを超える高値を記録していたこともある。

バックトの株価の推移 Source: Google Finance

バックトは、NYSEの基準に再び適合するために株価不足を解消する意向だとし、株価を引き上げることを目的として既存の株式を統合する株式併合を、株主の承認を得て検討することを明らかにした。

バックトには6か月の猶予期間がある。「6か月の猶予期間内の任意の月の最終取引日に1ドルの株価を有し、かつその月の最終取引日に終わる30取引日期間の平均株価が少なくとも1ドルであれば、適合性を回復することができる」とバックトは説明している。

NYSEを所有するインターコンチネンタルエクスチェンジ(ICE)は2018年にバックトを設立し、同社の過半数を所有している。バックトは2021年10月にNYSEに上場した。設立時、バックトは機関投資家が仮想通貨を購入、売却、保管、利用できるプラットフォームを謳っていた。一時は個人投資家向けアプリも提供していたが、2023年2月に競合する仮想通貨取引所が多数存在する中で浸透しなかったため閉鎖した

バックトは上場以来8四半期連続で純損失を報告しており、2月初旬には次の12か月間で事業を継続するための十分な現金がなくなる懸念があると警告していた

バックトは2月14日に新株発行により1億5000万ドルを調達するための規制承認を受けた

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン