オーストリア政府は、イーサリアム(ETH)のパブリック・ブロックチェーンを使用して、来週開催されるオークションで、11億5000万ユーロ(約1517億円)の国債を発行する計画だ。地元の報道局Kleine Zeitungが25日伝えた

昨年の保有資産が260億ドル(約2兆9500億円)だったオーストリア最大の銀行の1つであるオーストリア輸出銀行(OeKB)は、ブロックチェーンを使ったライブ公証サービスを運営している。10月2日に予定されているオークション中、同行はオーストリア財務省(OeBFA)に代わって債券を発行する。

オーストリアの財務相ハートウィッグ・レガー(HartwigLöger)は、財務省がブロックチェーン技術を「経済政策に焦点を当てた形態」と考えていると述べた。

「財務省のフィンテック諮問委員会を設置することにより、オーストリアがこれらの開発から最適な利益を得るための戦略を策定している」

OeKBは、今回のブロックチェーンに基づく公証サービスは、オーストリアの連邦債券オークションで使用される初めての事例であると話した。この手続きは、同行が内部開発したシステムを利用して、オーストリア・ダイレクト・オークション・システム(ADAS)のデータをハッシュ化したものを公証し、イーサリアムのパブリック・ブロックチェーンに載せる。テストはすでに成功済みという。

Kleine Zeitungが指摘しているように、この場合のブロックチェーンの使用は、既存の紙やデジタルシステムと並行して機能するトークン化された債券の発行には及ばない。しかし、オーストリア財務省のマネージングディレクターであるMarkus Stix氏は、Kleine Zeitungに対し、ブロックチェーン技術を利用すれば、セキュリティとコスト削減の両方に大きな利点があるとし、以下のように続けた。

「このようなセキュリティの強化は、オーストリア国債のオークションプロセスにおける高い自信を達成し、市場におけるオーストリアの良好な地位を強化するのに貢献する。また、間接的に資金調達コスト面でも貢献するものだ」

コインテレグラフは8月後半、世界銀行とオーストラリア・コモンウェルス銀行(CBA)が提携し、ブロックチェーンを使って債券を起債したと伝えた。期間は2年間で、規模は1億豪ドル(約80億6000万円)だった。