オーストラリア証券取引所(ASX)は、同取引所の有価証券の決済・清算システム(CHESS)へのブロックチェーン技術適用に向け、IT企業のヴイエムウェア、分散型台帳技術を開発するデジタルアセットホールディングスと提携した。ブロックチェーンを使ったCHESSの新システムは2021年春の開始を目指す。ASXが26日に発表した

発表によれば、ASXはオーストラリアとニュージーランドでのブロックチェーンプロジェクトで2社と協力し、CHESSの新たなアプリケーションを共同開発していく。3社間で覚書(MoU)に署名した。

覚書の中では、DAMLと呼ばれるオープンソースのスマートコントラクトのプログラミング言語のサポートも含まれている。DAMLは、デジタルアセット社が開発したもので、分散型アプリケーションの構築に使用される。

CHESSにブロックチェーン技術を活用するという計画は、2017年にはじめて公表された。トランザクションの高速化、セキュリティの向上、コスト削減などを目指すとしている。

当初は2020年までに新システムを提供する予定だったが、ブロックチェーン実装のための開発とテストにより多くの時間が必要だとし、ローンチ時期が延期されていた

ASXのピーター・ヒオム副CEOは、今回の新しい提携により、2021年3~4月が目標のCHESSの新しいシステムへの代替作業が順調に進むことになると強調した。

ヴイエムウェアCEOはビットコイン批判

一方、今回提携した企業のヴイエムウェアのトップはビットコインに批判的な発言をしている。

8月26日のフォーチュンによれば、ヴイエムウェアのゲルシンガーCEOは、仮想通貨ビットコインを「デザインが悪い」と批判。ビットコインのマイニングのために膨大なエネルギーが消費されていると指摘した。

その一方で、ブロックチェーン技術は「中立」」であるとし、ビットコインはブロックチェーンが悪用された例だ述べた。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版