アルゼンチンの大統領候補セルジオ・マッサ氏は、当選した場合に中央銀行デジタル通貨(CBDC)を導入し、アルゼンチンの長引くインフレ問題を「解決」すると公約している。
「私はアルゼンチンでのインフレが大きな問題だと明確に理解している」と、10月2日の大統領候補討論会で述べたマッサ氏は、国の深刻なインフレ問題を「解決」するための計画を語った。
「我々はアルゼンチンでデジタル通貨を導入する。海外に資産を持つ人々がそれを持ち帰り、新たな税金を伴わずに自由に使えるようにするロンダリング法とともに、アルゼンチンすべてとグローバルとで実行する」と述べた
現在経済大臣を務めるマッサ氏は、アルゼンチンが米ドルに移行するべきだという考えを否定した。
「ドル化こそがドルの誘惑を生む。愛国者となって、我々の通貨を守り、米ドルの使用を推進しないようにする」と語った。
アルゼンチンの大統領選挙は10月22日に行われる。3つの主要な投票調査のうち2つは、マッサ氏が、ビットコイン支持者で中央銀行反対派のハビエル・ミレイ氏に僅かに遅れをとっていることを示している。

米国のシンクタンクAS/COAのデータによれば、マッサ氏はアルゼンチン人口の約3分の1を占めるブエノスアイレス州で支持を得る可能性が高い一方、ミレイ氏は国の農村部で多数の支持を得ている。
ミレイ氏は以前、アルゼンチンの通貨として米ドルを採用することを示唆していた。経済学者でリバタリアンのミレイ氏は中央銀行に懐疑的だ。彼の選挙公約の一部は、アルゼンチンの中央銀行を廃止することだ。ミレイ氏は以前、ビットコインを「中央銀行の詐欺師」に対する対抗策であり、アルゼンチンペソの存在こそが国民にとって害悪であると主張した。
アルゼンチンの大統領選挙で3位の候補者であるパトリシア・ブルリッチ氏は、当選した場合、アルゼンチンペソと米ドルが法定通貨として共存する通貨制度を追求すると報じられている。

アルゼンチンペソは2003年以降、米ドルに対して99%以上の下落となっている。ほとんどのデータは、アルゼンチンのインフレ率が世界で3番目に高いことを示しており、アルゼンチンより上となるとベネズエラとレバノンのみだ。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン