イーサリアムウォレットのメタマスクが、10月14日にApp Storeから一時削除された。メタマスクは、Web3の分散型アプリケーション(DApps)と接続できるウォレットで、世界中で3,000万人以上のユーザーがいる。

14日、App Storeからメタマスクのアプリが消えたとの報告が相次いだ。Appleユーザーは、メタマスクのウェブサイトからアプリをダウンロードすることもできなかった。

メタマスクの広報担当者によると、今回の削除はセキュリティインシデントや悪意のある活動とは無関係だという。

「MetaMaskがApp Storeからダウンロードできないことを認識しています。これは悪意のある活動とは無関係の問題です。私たちのチームは、できるだけ早くこの問題を解決するために取り組んでいます。重要なのは、これはセキュリティ上の懸念ではなく、ユーザー側で何の行動も必要ないことです。また、アプリの機能とは関係ありません」

App Storeのポリシーが、アプリの削除の原因である可能性が高い。App Storeのガイドラインによると、アプリは「無関係なバックグラウンドプロセス」を実行することを許可していない。これには、仮想通貨のマイニングも含まれる。

メタマスクによると、アプリの削除は一時的なものだという。「メタマスクはまもなくApp Storeに復帰する予定です」と、アプリが復帰する数分前に広報担当者は述べており、App Storeに偽のメタマスクアプリがあれば直ちに報告するよう付け加えた。

メタマスクが大手IT企業のマーケットプレイスから停止したり、削除されたりしたのは2度目だ。2019年12月には、Google Playのアプリストアから、金融サービスのガイドラインに違反したとして、一時停止された。Googleは、モバイルデバイスでの仮想通貨マイニングを禁止するポリシーを引用し、メタマスクの再審査を却下した。

Appleのガイドラインでは、アプリ開発者は取引収入の30%が差し引かれる。NFTの購入をiOSユーザーに可能にしたい仮想通貨企業にとって、この30%のApple税も障壁となっている。