韓国の一部ビットコイン大口投資家(くじら)はここ一週間で「ビットコイン売り」に動いているようだ。

大量のビットコインを保有する大口投資家は通常保有する仮想通貨を取引所に預けない。だからこれら投資家が100億円単位のビットコインを取引所に入金する際は「売り」目的であることが多い。

データによると、韓国最大の仮想通貨取引所ビッサムではここ三日間でそういった巨額の入金が相次いでいるようだ。そうした巨額のビットコイン入金はビッサムに加え、中堅のコービットでも見られるという。

韓国では50億円を超えるビットコイン入金は珍しい。コービットの一例を取ると、毎日の取引高が50億円未満だ。だから100億円近い入金というのはいかに異常値であるかということがわかる。

BTC/ドル日足チャート 出展: TradingView.com

ビットコインの「キムチ・プレミアム」再来

相次ぐ巨額入金の謎を解くカギは「キムチ・プレミアム」かもしれない。

キムチ・プレミアムとは個人投資家が多い韓国でビットコインが他国市場より割高に取引される現象だ。2017年12月に世界中が仮想通貨投機に沸いたバブル期には、韓国ではビットコインが他国より20%割高で取引されていた。

韓国のキムチプレミアム指数。出典:CryptoQuant

ここ数週間の「キムチプレミアム」は5%前後となっており、年末から急上昇しているかたちだ。裁定取引を狙った大口投資家がビットコインを韓国に持ち込み売却している可能性はある。

とはいえ韓国での裁定取引は簡単ではない。そもそも外国人は仮想通貨取引所での取引は認められていない上、ビットコイン売却後の資本国外持ち出しに厳しい規制がある。実行するには現地のトレーダーチームが必要だ。

また「キムチ・プレミアム」に関わらず大口投資家による利確売りの動きは増えている。

(参考記事「仮想通貨ビットコインのボラティリティが急上昇、クジラが利益確定の動きか」)

ビットコイン価格が初めて4万ドルを突破した際に「メガクジラ」がBTCを大量に売却したと報じられている。短期的には大口投資家が売り、米国からの新たな買い手がビットコインを買うというパターンが続くはずだ。