ビットコイン(BTC)は日本時間で13日午後6万ドルの大台を突破したが、14日早朝も強い動きをみせており、61500ドル前後(約670万円)まで続伸した。

ここからどこに向かうのか。複数のアナリストによると次に節目となる価格帯までまだ余裕があるようだ。

3月9日に50000ドルを突破して以来、ビットコインは下落するたびに機関投資家がすぐに買いにはいっている。大口投資家(俗称「クジラ」)の保有するBTC残高もここ数ヶ月で増加する一方だ。

BTC/USDT 4時間足チャート

ビットコイン価格の次の動きは

人工知能などで仮想通貨相場を解析するスタートアップ「ジャーヴィスラボ」のアナリストであるベン・リリー氏が最近発表したレポートによると、100~1000BTCを保有するウォレット群が2月28日以来新たに約63000BTCも買っており、大口投資家たちの買い意欲を示しているという。リリー氏は「このクラスのウォレットは、2017年の強気相場の際に最もタイミングよく立ち回っていた」と指摘している。

100~1000BTCを保有するウォレットのBTC残高総計 情報元: Glassnode

リリー氏によると、ビットコインが今回2万ドルを突破して以来みられる「ビットコイン買いだめ」の勢いは2017年8月以来だという。2017年8月というと空前のバブルの一歩手前の時期だ。今回も「まだまだ上昇余地がある」というのが同氏の見立てだ。

取引所外への動きが強気相場を支持

仮想通貨トレーダー向けの情報配信を行う「ディセントレーダー(Decentrader)」の共同設立者フィリップ・スウィフト氏は長期目線の投資家によるビットコイン買いが増えている点を指摘している。

というのも過去数ヶ月間、仮想通貨取引所の口座においてあるビットコインを長期保有目的のコールドウォレットに移す動きが活発だからだ。下のチャートから見て取れるように、米仮想通貨取引所コインベースと欧州取引所ビットスタンプでは、昨年12月中旬以降、取引所のビットコイン残高が大幅に減少しているのだ。

これにより市場に素早く売り込むために利用できる流動性のあるビットコインが減少し、急激な暴落が減少するという。

取引所のビットコイン残高 出典: glassnode

ちなみにスイフト氏によると、ビットコインが分散型金融(DeFi)へ流れている可能性も指摘。その場合は流動性は減少していないことを意味しており、強気シナリオは多少弱くなるという。

スイフト氏が指摘するもう一つの興味深いシグナルは、1~2年保有されているビットコインと、3年以上保有されているビットコインとの比較だ。

ここ数週間、ビットコイン保有期間が3年未満の口座(ウォレット)はビットコイン売り始めている一方で、保有期間が3年以上の投資家は最近また「買い」続けている。スイフト氏によるとこれは「ビットコインはまだまだ上昇する可能性が高い」ことを示唆しているという。同氏の見立てでは現在は強気相場のちょうど中間地点にあるという。

1年以上前、2年以上前、3年以上前に最後に動いたビットコイン供給の割合 出典: glassnode

仮想通貨取引企業ExoAlphaの最高投資責任者デビッド・リフチッツ氏によると、今年2月22日~3月11日までのビットコインの値動きをチャート上で見ると、強気を示す「カップウィズハンドル」形を形成しているという。ここからコップの縁(58000ドル)を上回れば、ビットコイン価格がさらに上昇する可能性が出てくるという。

ビットコインは13日にも58000ドルを突破している。ここからどこに向かうかに注目だ。

ここで述べられている見解や意見は、あくまでも筆者のものであり、Cointelegraph.comの見解を必ずしも反映するものではありません。すべての投資や取引の動きにはリスクが伴いますので、決断を下す際にはご自身で調査を行ってください。