マイナーが保有するイーサリアムの量は、彼らが売却に消極的であるため、米ドルベースで記録的なレベルに達している。

イーサリアムマイナーが保有するETH残高は、5年前にネットワークが開始されて直後以来、最大となっている。分析プラットフォームSantimentのデータによると、米ドルベースで18億5000万ドルになっている。

Santimentによれば、53万2750ETHという数字は、2016年7月13日以来の水準となる。この額は、現在1億1780万ETHというイーサリアムの総供給量の0.45%にあたる。

Ethereum miner balances and price - santiment.net

マイナーは通常、電気代やハードウェア代などの費用を賄うため定期的に資産を売却している。マイナーが売却に消極的ということは、ETH価格がさらに上昇する可能性があると考えているとみられる。

ネットワークの健全性の指標と考えられているイーサリアムのハッシュレートは、ビットコインと同様、中国からのマイナー流出を受けて急落した。イーサリアムのハッシュレートは6月後半に477TH/s(テラハッシュ/秒)に低下したが、この3ヶ月で完全に回復し、新しいピークにまで急上昇した。現在は年初来で150%増となっている。

中国を拠点とするイーサリアムのマイニングプールだったSparkPoolBeePoolが事業を停止したにもかかわらず、こういった回復が起こってる。Bitinfochartsによると、10月5日には745TH/sとなっている。

マイナーによるETH蓄積の傾向は9月末にも報告されていた。8月のロンドンハードフォーク以後、イーサリアムを貯め込むようになっていると指摘されている。クラーケンのレポートによれば、一部ETHをバーンするEIP-1559が導入され以後、デフレ資産の特徴を持ったことで価格上昇への期待感が背景にあるという。