仮想通貨(暗号資産)取引所シェイプシフトのエリック・ボーヒーズCEOと、ビットコインに関する著作がある経済学者のセイフディーン・アモス氏は、仮想通貨イベント「コンセンサス」に登壇し、現在の政府と中央銀行による新型コロナウィルス対策に対する懸念に焦点を当てた。
ボーヒーズ氏とアモス氏は、非政治的なネーとしてのビットコイン(BTC)が、現在の危機に陥った世界においてははるかに有用であると主張している。
マネーの大量発行に対する懸念
世界中の政府が実施している金融刺激策に関して、両氏は特に批判的であり、アモス氏は次のように指摘している。
「麻薬中毒者が麻薬を打つときは、最初は気持ちがいいものだが、問題はそれを止める時だ」
中央銀行は現時点ではヒーローのように見えるかもしれないが、本当の問題は現在の金融システムではそのような手段を必要とするかだ、とアモス氏は述べている。現在の政策は、正常でもなく、ヘルシーなものでもないと主張した。
シェイプシフトのボーヒーズ氏、前回の金融危機の時に「パンドラの箱」が開かれてしまったと指摘する。そのため、今回の新しい経済危機で、中央銀行は迅速に大量のマネーを印刷することを決定してしまった。
ボーヒーズ氏は、中央銀行の政策は、通貨の切り下げによって現在お金を所有しているすべての人からお金を盗むことであり、「未来からお金を受け取り、いま、それを再分配している」と語った。
ビットコインの利点
一方、ビットコインの金融政策は自動化されており、それを変更しようとする試みは成功していない。その結果、価値の保存手段や交換媒体としてビットコインが信頼を得ることができたと、アモス氏は述べている。
ボーヒーズ氏は、金融政策の変化に対抗するためビットコインが必要だと主張している。マネーに関する重要な決定を政府のコントロールに任せておくことはできないと、同氏は述べている。
ボーヒーズ氏もアモス氏も、ビットコインと仮想通貨の未来は明るいと予測。ボーヒーズ氏は次のように結論付けている。
「世界の政府がビットコインと仮想通貨がいかに法定通貨を脅かす存在であることに気づいていないことに、私は感謝したい」
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン