米半導体大手のアドバンスド・マイクロ・デバイシズ(AMD)は29日、2018年第4四半期と18年通期の決算を発表した。18年通期での収益は「過去7年間で最高」となったが、19年第1四半期の仮想通貨マイニング関連の収益は減少すると予想している。

18年通期の売上高は17年比23%増の648億ドルとなった。営業利益も17年の4億5100万ドルと17年の1億2700万円を上回った。AMDのリサ・スーCEOは「2018年には大幅な増収、市場シェアの拡大、売上総利益率の拡大、および当社の高性能製品に基づく収益性の改善を達成した」と語る。

ただ19年第1四半期については仮想通貨マイニング需要の減少が響く決算資料によれば、19年第1Qの売上高見通しは12億~13億ドル。これは前年同期比で24%減だ。AMDは減収の理由の1つがブロックチェーン関連だと説明している。

「前年同期比での減少は、主に(グラフィック)チャネルの在庫過剰、ブロックチェーン関連のGPU収入の欠如、およびメモリ販売の減少により、グラフィック関連の売上が減少することに起因する」

今回の発見発表に先立ち、アナリストたちは19年第1QでのGPU関連の苦戦を指摘していた。コーエンでアナリストを務めるマシュー・ラムゼイ氏は「在庫問題の影響は年初以降も長引き、19年第1四半期は予想をやや下回ると見ている」と語っていた。

19年は半導体企業にとって仮想通貨マイニング関連は厳しい状況が続きそうだ。台湾積体電路製造(TSMC)は1月の決算発表で、「仮想通貨関連は18年から19年にかけて大幅に下落している」と語り、「19年の仮想通貨マイニング関連の売上高は昨年に比べてはるかに減少するだろう」と予測している。