仮想通貨イーサリアムクラシックへの51%攻撃は終息か | 中国セキュリティ企業「すべてのETCが返金」と発表

仮想通貨イーサリアムクラシック(ETC)が51%攻撃を受けた問題で、中国のセキュリティ企業SlowMist(スローミスト)は16日、すべてのETCが取引所に返金されたと発表した。市場の心理に悪影響を与えた今回の51%攻撃だが、セキュリティーリスクを知らせるホワイトハッカーによる攻撃だったという見方が裏付けられることになった。

スローミストによると、イーサリアムクラシックへの51%攻撃で被害を受けたロシアの取引所Yobit.Netに戻った12万2735ETC(約5700万円)と中国のGate.ioに戻った10万ドル分のETC(約2万3000ETC)を含め、攻撃者が奪った全てのETCが取引所に戻ったと発表した。

スローミストは、イーサリアムクラシックの開発者とともに今回の51%攻撃について調査を進めていた

これに先がけてGate.ioは12日、10万ドル(約1080万円)分のETCが攻撃者から返金されたと発表。セキュリティーにおけるリスクを教えるためのホワイトハッカーによる攻撃だった可能性を示唆した。

イーサリアムクラシックへの51%攻撃は8日に発生。仮想通貨取引所コインベースは、一つのマイナーが他のすべてのネットワークより資源を持つことでブロック生成の歴史を塗り替える再編成(Reorganizationを確認し、二重支払いが発生したと発表。その上で、被害額が219500ETC(約12000万円)に達したと伝えていた。

イーサリアムクラシックとは、仮想通貨の一種。イーサリアムのハードフォークの結果、誕生した仮想通貨。このハードフォークのきっかけとなったのがThe Dao事件。The Daoとはイーサリアムを用いたプロジェクトの一つである。仮想通貨を元手に資金調達を行う(ICO)画期的なプロジェクトであり、多くの注目を集めた。しかし、The Daoを構築するシステムの欠陥を狙ったハッキングが行われ、プロジェクトのために集められた多くのイーサリアムが盗まれた。これは、非中央集権的な組織運営の未熟さや限界を突きつけることになった。仮想通貨の特性上、一度他人の手に渡った通貨を取り戻すには、お互いの同意が必要である。しかし、ハッカーが苦労して盗んだ通貨を簡単に手放すことはなく、イーサリアムは解決案を考えるも、全体の合意を得ることができずハードフォークすることとなった。盗まれたイーサリアムが記録されたブロックチェーンから分岐したのが現在のイーサリアムであり、このブロックチェーン上ではイーサリアムが盗まれていなかったことになっている。一方既存のブロックチェーンを引き継いだのがイーサリアムクラシックである。従ってこの二つの仮想通貨には、ほとんど機能的差異はない。

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