アルゴランド(Algorand)ネットワークの最新のアップグレードでは、急成長する分散型金融(DeFi)分野にフォーカスを充てている。

アルゴランドのプロダクト責任者であるポール・リーグル氏は、今回のアップグレードでは3つの重要な機能があると、コインテレグラフのインタビューの中で強調した。ベースレイヤーでのステートフルスマートコントラクト機能の追加、「高速キャッチアップ」、「鍵の再生成」だ。アルゴランドのチームは、この新機能がDeFi分野での競争力を得ることになる考えている。

リーゲル氏は、アルゴランドのステートフルスマートコントラクトが、ほかのプラットフォームの競合と異なるのは、ベースレイヤーへの統合が非常に高速で実行できることだと指摘している。

「彼らはレイヤー1でそれを行う。つまり、それは非常に高速だ。通常のトランザクションと同様に、毎秒1000トランザクションで実行される。アルゴランドにはセカンドクラスのトランザクションはない」

高速キャッチアップにより、アルゴランドのディベロッパーは、ブロックチェーン全体が同期するのを待たずに分散型アプリ(DApp)の作業を開始できる。開発者は特定のブロックからブロックチェーンをダウンロードすることを選択できるが、前のブロックはハッシュされる。必要に応じて、後でノード全体をダウンロードすることもできる。

リーゲル氏は「鍵の再生成」についても強調している。この機能により、単一の長期実行パブリックアドレスを維持し、承認済みの支出をいつでも変更できる。また、シングル鍵からマルチシグ鍵に変更できる。

この機能により、デジタル資産の管理者の管理がより容易になるほか、日常的なシチュエーションでも使用できる。たとえば、家族がマルチシグウォレットにALGOを保持している場合、家族の各メンバーに独自の秘密鍵を割り当てることができる。異なる鍵には異なる使用制限があるように設定もできる。

これは、アルゴランドが公式の死亡記録を追跡するデータベースにアクセスできる外部オラクルを導入すれば、仮想通貨の相続を自動化するためにも使うことができる。リーゲル氏は、これは伝統的な金融と分散型金融の両方にとって、非常に魅力的な機能になると考えている。

「鍵の再生成により、あなたがコントロールする鍵にアカウントを再生成することができ、その後、そのアカウントにアクセスできなくさせることができる。そのため、実際にはこのアカウントをトラストレスな方法でほかのだれかに渡すことができる。これは現在は不可能なことだ。そして、それは既存の金融やDeFiの世界ではかなりパワフルなものになる」

アルゴランドの創設者であるシルビオ・ミカリ氏は、ブログ記事の中で、スマートコントラクトに対するアルゴランドのアプローチの独自性を強調している。

「スマートコントラクトは、ブロックチェーンが持つ最も美しく強力なギフトの1つだ。しかし、技術的にも非常に難しい。従来のスマートコントラクトはレイヤー2でのみ実装されており、遅く、高価で、脆弱なものとなっていた」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン