ツイッターユーザー@0xdev0によると、月曜日、Web3開発プラットフォームAlchemyとInfura.ioが仮想通貨ミキサーのトルネードキャッシュへのリモートプロシージャコール(RPC)要求をブロックし、ユーザーがアプリケーションにアクセスできないようにした。その前日、米財務省はトルネードキャッシュに関連する44のスマートコントラクトアドレスを制裁対象者リストに掲載した。米国の個人および団体は、トルネードキャッシュとのブロックチェーンやビジネス上のやりとりを制裁で禁止され、違反した場合は刑事責任を問われる可能性がある。

米財務省は今回の制裁の理由について、北朝鮮のハッカーグループ「ラザルス」によって盗まれた4億5500万ドルなど、2019年以来70億ドル以上の価値の仮想通貨をロンダリングするためにトルネードキャッシュが利用されていたと指摘する。

発表の直後に、ステーブルコインの発行元であるサークルはトルネードキャッシュのスマートコントラクト内にあるUSDコインの資金を凍結した。一方、プログラミングリポジトリのGitHubは、プロジェクトのメインページをダウンさせ、開発者のアクセスをブロックした。

イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏は、トルネードキャッシュを使ってウクライナに寄付をしたと語っている。ブテリン氏が語ったその意図は、敵であるロシア政府に取引の全詳細を知られないよう、受取人のプライバシーを保護することだった。

また、仮想通貨で給料をもらっている個人が雇用主に自分の財務情報を見られたくない場合や、仮想通貨でサービス料を払っている人がサービス提供者に自分の財布から過去の取引を見られたくない場合など、ミキサーのプライバシー用途での活用も指摘されている

一方、このツールは、ハッカーがハッキング攻撃、特にクロスチェーンブリッジから盗んだ資金を洗浄するためのホットスポットとして機能した部分もある。このようなアプリケーションからは、現在までに20億ドル以上の資金が盗まれている。