航空機整備(MRO)業界は、MROブロックチェーン連盟の新設を発表した。バーディクト誌が2月4日に報じた。主要メンバーは、香港の航空機整備会社HAECOグループ、ボロレ・ロジスティクス、キャセイパシフィック、FLYdocs、SITAなど。
ブロックチェーンに特化した連盟の設立のアイデアは、HAECOグループが昨年主催したイベントで発表されていた。他にも、ソフトウェア会社ラムコ・システムズやウィルス・リース・ファイナンス、法律事務所Clyde & Coなども参加表明している。
PwCの調査によると、ブロックチェーン技術は、MRO事業においてコストを世界規模で約5%の35億ドル(約3800億円)削減し、収益を4%の400億ドル(約4兆4000億円)増加できる可能性があるとしている。
具体的には、デジタルパスポートでの航空機パーツの発行を見込んでいる。パーツが正しいものかを証明し、データやプロセスの処理をデジタル化して保管状況を提供できるとされる。
航空業界では、まだ一部のデジタル化しか進んでいない。ブロックチェーンを導入することで劇的な利益が得られると期待しているという。SITAの航空旅行ソリューション部門の代表者は、以下のように述べている。
「我々のような密に繋がった業界において、コントロールすることをあきらめずに共通データを安全に共有および保存することは、航空旅行のさらなる効率性を高めるために重要だ。これは、MROセクターにとって極めて真実だ。」
SITAの代表は、MROをブロックチェーンが活躍する5つの潜在的分野の1つととらえているとし、他にもID(個人認証)管理、税関チェーン(手荷物や貨物や航空機)、フライト業務などがあるとしている。
SITAは、2018年に創設された航空会社のブロックチェーンサンドボックスで、イーサリアムとハイパーレジャーが参加した2件の試験プロジェクトを実施している。これにはスマートコントラクトのイニシアチブ「フライト・チェーン」が含まれ、ブリティッシュ・エアウェイズ、ヒースロー、ジュネーブ空港、マイアミ国際空港も参加した。同イニシアチブは、航空会社と空港のフライトステータスデータ管理の改善を目的に、ブロックチェーンの活用に焦点を当てている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン