このほど急上昇していた仮想通貨(暗号資産)ビットコインのトランザクション手数料が一気に半分近く減少している。
ビットインフォチャートのデータによると、平均手数料は5月20日には6.65ドルだったが、25日には3.07ドルへと54%減少した。中央値のピークも3.91ドルから1.65ドルまで下がっている。
ビットコインキャッシュ関連イベントの主催者で、ビットコインキャッシュの提唱者の1人であるハイデン・オットー氏はコインテレグラフに対し、ネットワークの混雑が続けば、ユーザーはアルトコインに流れていくだろうと語った。同氏によると、2017年にも同様のことが起こったという。
「ビットコインが巨大なブラックログのトランザクションで埋め尽くされていれば、再びゆっくりと(アルトコインに流れていくだろう)。(中略)資金を移動させようとしているほとんどの人は取引所から引き出すまでに別のコインに変換する」
(出典:BitinfoCharts「ビットコインの中央値と平均トランザクション手数料」)
アルトコインはビットコインの混雑を資本化する
オットー氏は、最近見られる手数料の高騰の原因であるビットコインの混雑と、アルトコインに移行することとの間には直接的な相関関係があると主張している。同氏はこの結果として、「BTCのドミナンスが低下する一方で、競合する仮想通貨のドミナンスは爆発的に上昇する」という。
既報の通り、半減期によって、ビットコインのブロック報酬の半減がブロックチェーンを不安定化させるのではないかとの憶測が流れていた。オットー氏も半減期はビットコインに不安定化をもたらしたと主張する。ただ、最近はは安定してきているようだ。
オットー氏によると、ビットコインの未承認トランザクションを示すメモプールが一時、今年最高の8万件に達したが、現在は2万件ほどで安定している。これはビットコインのネットワークが半減期をきっかけに変化した後、安定を取り戻しつつあることの表れであるという。
また、採掘難易度調整については1回の調整ではまだ十分ではないと考えている。
「半減期を過ぎてからすでに1回の難易度調整が行われているが、落ち着くまではもう1~2回の調整が必要になるだろう。ハッシュレートの低下により、ブロックの生成が遅くなっている。BTCのハッシュレートは半減期以降30%近く下がっており、難易度は6%しか下がっていないため、ブロックが平均10分間隔で採掘されるようになるまでには、難易度をさらに下げる必要があるだろう。」
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン