アフリカでは外国為替の流動性や通貨スワップへのアクセスが難しく、これにより輸入に依存しているアフリカ経済では米国ドルベースのサービスの利用が制限されている。カンザ・ファイナンス(Canza Finance)のパスカル・ンツァマ4世氏によれば、この問題は、仮想通貨・ブロックチェーンを活用する分散型金融(DeFi)によって解決できるという。

アフリカ向けの分散型クロスボーダー決済を手掛けるネオバンクであるカンザ・ファイナンスのCEO兼共同創設者であるンツァマ氏は、カンザの新しいDeFi技術「バキ」は、アフリカの通貨に対する分散型外国為替(FX)取引を提供し、中央銀行のレートでスリッページなしのスワップを可能にすることでこの課題に対処することを目指しているとコインテレグラフに語った。また、企業がアフリカ内部およびFX取引に低コストで参加するためのハブを作ることを目指しているという。

アフリカの現地法定通貨を交換する際、資金はアフリカから流出し、ドル価値のインフレと通貨スリッページによるコスト増加を引き起こす。バキは、公式の中央銀行価格で取引されるため、トレーダーが損失なしで通貨を交換することを可能にすることでこれに対処する。

アフリカのDeFiは、2027年までに50万人以上のユーザーを抱え、年間成長率が21.99%に達すると予測されている。

ナイジェリアのような国々で、ブロックチェーン技術が承認された後でも広く採用されていない状況下でバキのサービスが機能するかという質問に対し、ンツァマ氏は、バキは現在の規制環境に合わせて構築され、既存のユーザー行動を活用してブロックチェーン技術での問題に取り組んでいると話す。彼は、規制の肯定的な変化がバキに対するより多くの企業および機関投資家の採用をもたらすだろうと主張した。

ンツァマ氏によると、通常のFXスワップでは、エージェントは再度そのポジションをリサイクルするまで現地通貨のリスクを負うため、そのリスクの買い手への価格設定が必要である。バキは、公式レートで類似の通貨を交換することでこれらのリスクを減らし、米ドルポジションに入る際に最小限のスリッページで再度交換することをエージェントに可能にするという。

ンツァマ氏によれば、バキの流動性を提供するユーザーや団体は、システム内の各通貨スワップに課される80ベーシスポイントの手数料から利益を得る。この利益は、流動性提供者に50%、カンザ・ファイナンスのネイティブトークン保有者に25%、カンザ・ファイナンス自体に25%が分配されるという。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン