ロシアの情報機関である連邦保安庁(FSB)が、支払い手段に仮想通貨の使用を禁止する方針を示したことがわかった。ロシアの中央銀行ともすでに合意しているという。複数の地元メディアが報じた。
チェルニシェンコ副首相からプーチン大統領に送られた手紙から決定したことが明らかになった。今春に議会を通過するデジタル金融資産に関する法案に盛り込まれる予定という。
ロシア中央銀行はこれまでにも仮想通貨決済を禁止する姿勢を示してきている。一方でFSBは税収目的に、一部合法化するとして、仮想通貨マイナーを支持する規制をとるなどの態度を示していたが、支払いでの面で合意したもようだ。
ロシアで仮想通貨は、Eコマースや、プログラマーやデザイナーなどフリーランサーに対する給与支払いなどに使われている。またチケットやコンピューター、家具、家賃やホテル代など商品・サービスの購入に幅広く使われている。
一方で今回の決定では、ルーブルやその他の法定通貨の取引は専門の取引所を介して行われるべきだとしており、仮想通貨での決済や支払いは禁止になったとしても、法定通貨への交換は禁止されないようだ。
デジタル経済は推進の方向
ロシアでは新首相のミハイル・ミシュスチン氏がデジタル経済の発展を最優先すると表明している。今年1月には地元メディアがミシュスチン首相が「ロシアは、人々のために作られるデジタルプラットフォームになるべきだ」との発言を報道。肯定的な態度として捉えた。
同氏は2017年11月にもRBCに対して仮想通貨の合法化には「全体的なストーリー」が必要と主張。一昔前は法定通貨も信任がなかったと振り返っていた。
「紙幣が流通し始めた時、誰も信じていなかったため、中央銀行は金を用意する必要があった」
当時、仮想通貨の普及はまだ時期尚早という見方を示していたが、完全否定はせずに現実的な見方を示した。デジタル経済と仮想通貨がどうバランスを取れるかを模索しているようだ。
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