アイスランドで今年盗難されたビットコイン(BTC)マイニング用ハードウェア600台が、中国にある可能性がある。アイスランドの報道機関のRUVがこのほど伝えた

 4月下旬に中国北部の天津市でBTCのマイニングに使う機器600台が押収されたとの報道があり、現在アイスランド警察は中国当局に問い合わせている。押収された機械の数は、昨年12月と今年の1月にアイスランドのデータセンターで発生した3件の盗難事件で盗まれ所在が分からなくなったハードウェアの数と完全に一致している。アイスランド警察は2月に2人の容疑者を特定し逮捕した。そのうち1人は4月中旬にアイスランドの拘置所から抜け出してスウェーデンに逃亡し、その後オランダで逮捕された。

 盗まれた機器の価値は計2億クローナ(約2億1000万円)と見積もられている。アイスランド警察は地方でエネルギー消費が異常に増加していないか監視しているが、失敗に終わっている。天津では、異常な電力使用が現地の送電網オペレーターの注意を引き、当局によるマイニング機器の押収に繋がったと報じられている。RUVによると、中国の警察はまだアイスランドからの問い合わせに回答していない。

 寒冷な気候と再生可能エネルギーが広い地域で利用できるため、アイスランドは仮想通貨のマイニング場所として注目集めている。現地の業界関係者は、同国の仮想通貨マイニングによるエネルギー消費は今年2倍になり、34万人のアイスランド国民が個人使用で消費する電力を上回ると予想している。

 地熱発電所と水力発電所により、アイスランドでのマイニングは石炭を燃やす中国でのマイニングより環境に優しく持続可能なものになる可能性がある。

 中国は長年、屈強な仮想通貨マイニングの超大国だった。17年には、BTCマイニングの50~70%が中国で行われたと言われている。しかし今年の1月には、地方の規制監督を強化し、将来的にはマイナーによる電力利用を制限する計画が報じられた。