ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の価格は、仮想通貨市場の大幅な調整が発生し、4月23日にそれぞれ15%と20%の下落となった。

大量の清算、先物市場の過熱、キムチプレミアムの低下、クジラによる売却、そして米国のバイデン大統領による税制への懸念など、5つの要因がBTCとETHの急落を招いた可能性がある。

過密な先物市場で大量清算

4月23日、24時間の間に、仮想通貨市場で40億ドル以上のポジションが清算された。

データ分析プラットフォームのBybtによると、ビットコイン市場は現在はショートの方が多くなっており、ショートポジションが約54%だ。

Binance BTC futures open interest. Source: Bybt

これは過去1日で数十億ドル相当のロングポジションが清算されたことを示唆している。

また、イーサ先物市場の建玉がCMEで過去最高額に達しており、ETH先物市場も過密状態になっている。BTC価格が下落する前に、ビットコイン先物の建玉も同様に急上昇していた。

現在、ETHとBTCはどちらも、建玉が低下しており、価格が回復する兆しかもしれない。

特にビットコインはデリバティブ取引が活発なバイナンスにおいて先物建玉が、3月8日以来の低水準となっている。

キムチプレミアムが0%に

ビットコインとイーサリアムの価格が急落したため、韓国のキムチプレミアムが0%にまで低下した

South Korea premium index. Source: CryptoQuant

キムチプレミアムは足元で4%を超えているが、韓国の仮想通貨取引所のマーケットでは、国の金融監視機関からのネガティブな発言の影響を受けているようだ。

4月22日、韓国の金融委員会のウン・ソンス委員は、政府は仮想通貨に課税しているが、仮想通貨は金融資産ではなく、政府はそれを保護しないと発言した。

韓国の金融当局者によるこの発言は、韓国の仮想通貨市場で大きな売りにつながり、キムチプレミアムが崩壊した可能性がある。

中小サイズのクジラによる売却

4月20日、主要取引所でのビットコインの流入を追跡するMaterial Indicatorsが、中小サイズのクジラによる売却があると指摘した。

Whales selling their funds. Source: Material Indicators

彼らによれば、主要な取引所で中小規模のクジラによる10万ドル~100万ドル相当のビットコインを売り圧力があったという。これがビットコインの短期的な値動きに影響を与えたとみられる。

バイデン税制への懸念

ビットコインの価格急落のタイミングは、バイデン大統領による富裕層に対する課税強化案の発表と一致していた。

これは米国の富裕層に対するキャピタルゲイン税を最大43.4%にまで引き上げるという計画で、これを受け米国の株式市場は下落した。