ゴールドマン・サックスは、仮想通貨に対する投資家の需要が高まる中、仮想通貨のトレーディングデスクを再開することを正式に明らかにした。

同社グローバル・マーケット部門のデジタル資産責任者であるマット・マクダーモット氏は、近く開設予定の仮想通貨プラットフォーム上でシカゴ・マーカンタイル取引所(CNE)のビットコイン先物へのアクセスを提供することを発表した。

5日に公開されたポッドキャストで、CMEのビットコイン先物以外にもNDF(ノンデリバラブル・フォワード)という差金決済方式の先渡契約の仮想通貨サービスを提供することにも言及した。

マクダーモット氏によると、ゴールドマン・サックスの仮想通貨プラットフォームではこれら2つの製品を提供するという。

「我々はトレーディングデスクを再開させようとしている。当初は非常に狭い範囲になるが、まずはCME先物とNDFに焦点を当てていく。さらにマーキー・プラットフォーム(ゴールドマンサックスが機関投資家向けに提供するデジタルプラットフォーム)を通じて、機関投資家にビットコインのコンテンツをを発信している」

マクダーモット氏によると、ゴールドマン・サックスの仮想通貨への取り組みは投資家からの需要の高まりに対応したものだという。同社は300人の顧客を対象とした社内調査から、顧客の40%が資産ポートフォリオに仮想通貨を組み入れていることがわかった。

同氏は「この数字は少し多いように感じたが、過去3〜6ヶ月間の需要を反映しているようだ」と述べた。

また、ゴールドマン・サックスの調査対象顧客の61%が、今後1年間にデジタル資産の保有額が増加すると予想しているという。調査対象者の76%はビットコインが今年中に4万ドルから10万ドルの間で推移すると予想した。しかし、ビットコインが2021年末までに10万ドルを超えると予想しているのは22%に過ぎないとマクダーモット氏は指摘している。

マクダーモット氏は、機関投資家の需要が高まっているという点で、現在の仮想通貨を取り巻く環境は2017年とは大きく異なっていると指摘している。「2017年は個人投資家主導の市場だった。今回は、さまざまな業種の幅広い範囲にわたって、膨大な機関投資家の需要が見られている」と語った。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン