仮想通貨貸付企業スリーアローズキャピタル(3AC)の共同創業者であるスー・チュー氏が、シンガポールの裁判所での厳しい審問を受けた後、間もなく釈放される見通しであるとブルームバーグが報じた。チュー氏は2023年9月、シンガポールで逃亡を図った際に逮捕され、裁判所から4ヶ月の懲役を言い渡されていた。

ブルームバーグの12月13日の報道によると、チュー氏は今週シンガポールで初の審問を受け、2日間の法廷審理でテネオの弁護士の質問に答えた。ブルームバーグによれば、テネオの弁護士がファンドが失敗した経緯や資産の所在について詳細を求めたという。報道によると、チュー氏は模範的な行動に基づいて今月中に釈放される予定だ。

「清算人は、チュー氏が懲役中およびその後に3ACおよび以前の投資マネージャーに関する情報と文書の提供に関して裁判所の命令に完全に従うことを確実にするため、すべての機会を追求し、必要に応じてさらなる裁判所の命令を申し立てるかもしれない」とテネオは9月にコインテレグラフに語った。

3ACは2012年にカイル・デイビス氏とスー・チュー氏によって設立されたシンガポールの仮想通貨ヘッジファンドである。同社は2022年にビットコイン(BTC)が2万ドルを下回った際に、貸し手からの追加担保の要求を満たせなかった。3ACは、同じく破綻した仮想通貨貸付企業ブロックファイからビットコインを借りていたが、弱気市場が進む中で追加担保の要求に応じられなかったという。

チュー氏とテネオの代表者との手続きは民事問題であり、チュー氏とデイビス氏はシンガポールで刑事訴追を受けていない。デイビス氏はチュー氏と同じく4ヶ月の懲役を言い渡されているが、現在も行方不明となっている。

2023年9月、シンガポールの中央銀行は3ACが同国の証券法に違反していたとして、デイビス氏とチュー氏に対して9年間の取引禁止命令を出した。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン