ビットコインは11月10日に69000ドルをつけ高値更新してから9日間かけて56500ドルまで下げた。調整局面に入っているように見えるが、ここからの値動きはどうなるのだろうか。

まず20%の下げというのはビットコインにとってはよくあることだ。この1年間だけでも一日の上げ幅が20%以上になったことが5回、下げ幅が18%になったことが5回だった。そう考えるとここ3ヶ月間の値動きは比較的控えめともいえる。

56500ドルが局所的な底であることを示す最初の証拠は、急激な価格変動にもかかわらず大規模な強制決済が発生していないことだ。強制決済総額はBTC先物市場における建玉の2%と、今年9月7日の急落時に比べると少ない。

ビットコインのボラティリティ推移(90日年換算)
各取引所におけるビットコイン先物建玉

56000ドルまで下げた局面でもオプション市場における「25%デルタスキュー指数」に異変がなく、プロ投資家たちはこれ以上の下値を見越していないことがわかる。

ビットコイン30日オプションの25%デルタスキュー

また仮想通貨のレバレッジ(マージン)取引市場においてもビットコイン(仮想通貨)買いへの意欲を示す指標が上昇している。

OKExにおけるUSDT/BTCマージン借り入れ比率

一方で破綻した仮想通貨取引所マウントゴックスの再生計画が先週認可され債権者による売り圧力が懸念されているが、債権者への支払いの詳細はまだ明らかになっておらず市場への影響はまだない状態だ。

もちろん価格の行方は誰にもわからないが、56500ドル付近が足元の底だった可能性がある。