2024年、仮想通貨市場は驚異的な復活を遂げ、今年1月には1.8兆ドルだった時価総額が12月中旬には3.9兆ドルにまで増加した。この増加は、ビットコインの年初来160%の急騰が大きく牽引した。

しかし、この劇的な回復は一部のアルトコインに強気の勢いをもたらし、停滞していたプロジェクトに新たな活力を吹き込んだ。以下に、2024年に驚異的な復活を遂げた仮想通貨を紹介する。

ドージコイン、トランプ勝利が追い風に

代表的なミームトークンであるドージコインは、2024年の最も印象的な復活を遂げ、1月の安値0.081ドルから0.466ドルまで350%以上の価格上昇を見せた。

このラリーは、政治的、技術的、文化的要因が組み合わさり、ドージコインを再び投資家の熱狂の中心に戻した。

ドージコインのパフォーマンス Source: CoinGecko

2024年の米大統領選挙の結果が、このミームコインの運命を逆転させる上で重要な役割を果たしたようだ。

ドナルド・トランプ氏の仮想通貨支持の姿勢が、規制に対する大きな変化を示唆した。

トランプ氏の仮想通貨に関する公約と、そしてイーロン・マスク氏が新設の政府機関「政府効率化省(DOGE)」の共同議長に任命されたことが、メディアで大きな関心を集め、投資家の楽観主義の波を引き起こした。

マスク氏のドージコイン(DOGE)への継続的な支持も強いセンチメントの原動力であり続けた。マスク氏のソーシャルプラットフォームXでのDOGE決済の統合に関する憶測も、トレーダーやアナリストを刺激した。

テクニカル分析では、2つの長期移動平均が交差する「ゴールデンクロス」などが、大きな上昇の可能性を示唆した。仮想通貨アナリストのミキブル氏は、ドージコインが過去にゴールデンクロスを記録した際のパフォーマンスを強調する。この時にはDOGEが7000%近くの上昇を達成した。

ほかの仮想通貨トレーダー、ジャボン・マークス氏も同様の見解を示し、勢いが続けばDOGEが3ドル以上に達する可能性があると予測した

Dogecoin, Ripple, Hedera, Features

Source: MilkybullCrypto

リップル、11月以降に350%急騰

リップルのXRPトークンは、2024年の最も予想外でありながら印象的な上昇をみせ、11月の大統領選挙以降350%以上の急騰を遂げた。

この上昇により、XRPはソラナとテザーを上回り、時価総額で第3位の仮想通貨となった。XRPの急騰は、規制に対する楽観主義、戦略的な製品のローンチ、強力なテクニカル的勢いなど、様々な要因によって推進され、市場で最も話題の資産の1つとなった。

昨年、米国の裁判所のアナリサ・トーレス判事が、XRPが取引所で販売された際には証券ではないと判断したことが、XRPにとって新たな局面を迎えた(ただし機関投資家に対する販売は証券と判断された)。

A list of the top 5 cryptocurrencies by total market cap Source: CoinGecko

この部分的な勝利は、リップルと仮想通貨業界にとって転換点と見なされた。米証券取引委員会(SEC)の他の分散型トークンに対する訴訟の主張を弱めることになった。

トランプ氏の仮想通貨支持の姿勢と同氏がSEC委員長に指名したポール・アトキンス氏の下で、SECが大きな変貌を遂げるとも期待されており、リップルの長期にわたる法廷闘争も2025年に終結する可能性がある。

こうしたリップルへの追い風に加え、同社はステーブルコインRLUSDを発表した。RLUSDはコンプライアンスと透明性を重視して設計された米ドル担保のステーブルコインだ。このローンチは、安定したデジタル資産の需要の高まりを活用し、クロスボーダー決済の主要プレーヤーとしての地位を強化するためのものだ。

最後に、テクニカル分析もXRPに対して強気のシグナルを提供している。トレーダーのドンアルト氏は、XRPの2.60ドルを超えるブレイクアウトがさらなる強気の勢いを引き起こし、XRPの価格を倍増させる可能性があると指摘した。

アナリストのEGRAG氏はさらに野心的な見方を示し、リップルが長期目標を達成すれば、XRPの価格が8.77ドルから17.54ドルの間に急騰する可能性があると予測した。

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Source: DonAlt

ヘデラ、トップ25内にランクイン

ヘデラ・ハッシュグラフはしばしば仮想通貨のダークホースと見なされてきたが、最近の復活とDeFi市場における役割の拡大により、その存在感が増している。

11月から12月の間に800%以上のラリーを見せたヘデラ(HBAR)は、2024年を通じて印象的な成長軌道を維持している。

ヘデラにとって最もエキサイティングな展開の1つは、HBARスポットETFが実現する可能性だ。バロー・ファンズが欧州ユーロネクスト取引所にステーキング製品を申請した

一方、カナリー・キャピタルが米国でのヘデラETFを申請したことも期待を高め、投資家は大統領選挙後の環境での規制の動向を注視している。

新政権下での米国の仮想通貨政策の転換が予想される中、HBARの機関投資家による採用が中長期的に大幅に増加する可能性がある。

最後に、ヘデラの成長する分散型金融(DeFi)の存在も成功の重要な要因であり、エコシステム内の総ロック価値(TVL)は1月の5300万ドルから12月には2億ドル近くに急増した。これは、スターダー、ソーサースワップ、ボンゾ・ファイナンスなどのプラットフォームによって推進された。

Hedera DeFi TVL growth between Q3 and Q4 2024. Source: DefiLlama

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