分散型金融(DeFi)プロトコルのカーブファイナンス(Curve Finance)は、米ドルに連動するアルゴリズム・ステーブルコイン「crvUSD」をイーサリアムメインネット上で発表した。これまでに2200万ドル(約29億円)相当のcrvUSDが発行されている。
ブロックチェーン解析サイト「イーサスキャン」のデータによると、過去8時間で2200万ドル相当のcrvUSDが発行され、そのうち2000万ドル相当が最初の5分間で発行された。
イーサリアムネットワークへのcrvUSDの展開は、同ステーブルコインの一般公開に向けた重要なステップだ。Curveの公式ウェブサイトに統合されるまで一般ユーザーはまだ利用できない。
As many figured - deployment of crvUSD smart contracts has happened!
— Curve Finance (@CurveFinance) May 3, 2023
This is not finalized yet because UI also needs to be deployed. Stay tuned!
現時点でCurve Financeには約44億ドル(約6000億円)のステーブルコインがロックされており、仮想通貨業界内で最大のDeFiプロトコルの一つだ。
ちなみにアルゴリズムステーブルコインは、2022年5月にテラエコシステムが崩壊して以来の批判の的となっていた。TerraUSD(UST)ステーブルコインはドル・ペッグを失い、関連トークンのテラ(後にTerra Classic(LUNC)に改名)は99%以上暴落した。USTの価値は複雑なアービトラージメカニズムによって維持されていた。
今回カーブがリリースしたcrvUSDは、MakerDAOのDAIステーブルコインに似た設計を採用している。crvUSDのホワイトペーパーによれば「担保付き債務ポジション」ステーブルコインとして機能する。これはユーザーがcrvUSDでローンを受けるために担保を預ける必要があることを意味する。現時点でカーブは使用できる担保の資産を明示していない。
カーブだけでなく他のDeFiプロトコルもアルゴリズムステーブルコイン開発にしのぎを削っている。競合プロトコルであるAave(AAVE)は今年2月「分散型、担保付きステーブルコイン」GHOのテストネット版をリリースしている。
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