FreeTONネットワークの大手デベロッパーBroxusは、FreeTONベースのDEXであるTONスワップに主要な更新を行ったことを発表した。その中でも最も大きな変更はプラットフォームによるファーミングの提供を中心とするものであり、このプラットフォームの持続的な成長と流動性の増加に合わせ、9月3日にパラメータが拡張された。

夏の終わりにかけて、FreeTONはDeFi業界でのさらなる確立を目指し、新たな発表やアップデートを続けてきた。テレグラムがTelegram Open Networkの開発を中断した後に引き継がれたプロジェクトであるFreeTONは、この独自の技術に大きな可能性を見出したデベロッパーとブロックチェーン愛好家によるコミュニティである。FreeTONは、TONの開発を無駄にせずこれを継続・改善することを決定し、草の根による資金調達を元に、オープンソースの分散型のプロジェクトとして構築を進めてきた。

プロジェクトの立ち上げ以来、ネットワークとTONのクリスタルトークンなどのエコシステムを実現、Broxusでは他のデベロッパーと協力してFreeTON独自の能力を多くの人々が享受できるユースケースへと変えていった。FreeTONの様々な功績の中でも抜きんでているのは、このプラットフォームによるBroxusベースのDEX、TONスワップだ。

最近、この取引所のオーバーホールを終えたところであり、取引所のフロントエンドを書き換え、多くの関連市場やトークンデータを追加することによって使い勝手が大幅に改善された。またこの取引所の全体的なアップグレードに加え、そのファーミングプログラムの重要な機能の一つであるパラメータの拡張が実施されたところだ。

FreeTONコミュニティの長期にわたる成長とコミュニティ内の対話のおかげで、BroxusはTONスワップに長期のファーミングプログラムを構築し、これが9月3日に開始された。プログラムの中核となるのは、インフィニティプールとべスティングの追加である。インフィニティプールがあれば、時間の制限を設けることなくファーミングプールの稼働が可能になる。ファーミングの期限がないので、新たなプールを作成する必要なくファーミングスピードの変更が可能だ。現状では、ファーミングスピードは最低でも2週間に一度の間隔で変更できる。このアップデートが導入される一方、このプラットフォームのメインであるWTONマイニングプールは今後1か月間は変更されず、トークンのリワードは継続してプール指定のファーミングスピードのままである。

べスティング

The above chart shows what vesting looks like at a ratio of 100% for 120 days.

上記チャートは、120日100%の比率でのべスティングを示す。

べスティングとは、DeFiの預かり資産(TVL)およびファーミングスピードの増加により生成される市場での過剰な供給を管理する手段である。べスティング率とべスティング期間という2つの新しいパラメータが、ユーザーデータに関する新しい2種類の指定(権利付与済および未請求)とともにべスティングプロトコルに加えられた。べスティング率とは、授与される報酬の割合をいい、べスティング期間はべスティングが行われる時間枠をいう。たとえば、べスティング率が100%でべスティング期間が120日であった場合、これはファーミングされたすべての資産のうちの50%が110日の間にユーザーに送られ、その残りが翌130日間に渡って送られる。

ユーザーが取得したけれどまだアンロックされていない資産は権利付与された収益となる。Vesting before(べスティング・ビフォア)とはすべての権利付与された収益がアンロックできるようになる時点をいう。もう一つの機能は、マイニングプールに十分な報酬資金がないために、ユーザーが得た報酬を請求できないというまれに起こるケースに対して追加されたものである。ユーザーは請求されたトークンを報酬債務として分類することができ、未払いの報酬に対し利子が提供される。

それに加え、この新たなファーミングシステムは、ファーミングの強化を一定のペアに適用し、長期ファーミングを促進することを可能にした。この強化により、請求が行われず次のプラットフォームのアップデートの際に公開される予定のトークンのファーミングスピードが向上する。

TONスワップの2つのブリッジであるWBTC-BRIDGEとWTON-BRIDGEは、DAOのローンチの後、9月末まで現在のスピードを維持する。DAOがローンチされると、大量のブリッジトークンがファーミングプールからリレーネットワークに移動するため、ファーミングスピードは低下する。

その他にも、FreeTONのエコシステムに有望なDeFiプロジェクトを採用するクリスタルハンドシェイクプログラムに関連して、TONスワップに追加される予定の新規トークンがいくつかあり、これがさらにDEXのファーミング能力を拡大することが予想される。TONスワップに参加する予定のプロジェクトを以下に挙げる。

  • FRTN(ゲーミング業界、tip-3)
  • EUPI(ステーブルユーロ、tip-3)
  • BDCC(ゲーミング業界、バイナンスエコシステム)
  • FRAX(ETHに基づくフラクショナル・アルゴリズミック・ステーブルコイン)
  • Chatex(DeFi仮想通貨銀行)
  • FreeTONエコシステムからのtip-3プロジェクト多数
  • ETHエコシステムからのプロジェクト多数

TONスワップが自らをFreeTONエコノミーの中心として確実に確立したときにこれらの変更は実現する。現在TONスワップには、業界のCEX全体の流動性以上にTONの流動性があり、TONスワップの合計取引量は4,000万ドル以上に相当する。TONの現在の量の純販売合計額は430万トークンまで増加しており、そのうちの約150万ドルはトークンファーミングの結果である。ファーミングのアウトプットの大半は、FreeTONエコシステムの長期ファーミングプロジェクトの結果である。

TONスワップは過去数年間の開発の中で大きな一歩を遂げ、現在のTVLは2,400万ドルに相当する。ファーミングは取引所、特に長期ファーミングの繁栄において重要な役割を果たしてきた。多くのプロジェクトが参加し、すでに多様なFreeTONエコノミーに追加されることで、ファーミングプログラムの新しい変化や拡大は、これからも大きく増加していくことが期待されるだろう。

FreeTONについて

FreeTON は高速、安全、かつスケーラブルなブロックチェーンをほぼゼロコストで提供し、独自のダイナミックシャーディング技術により、1秒当たり数百万の取引を実現するネットワークである。Durov兄弟によるTONのオリジナルコンセプトから開発されたFreeTONブロックチェーンは、数百万のユーザーにより、信頼性の高いセキュリティ、業界一のスケーラビリティおよび分散化の前例のない組み合わせを通じて、分散型ソリューションの広い導入を進めるために設計された。そのエコシステムはDEXや他のブロックチェーンとのブリッジを含む数々の製品を提供する。