フリーTONブリッジは、仮想通貨イーサリアム(ETH)のブロックチェーンとフリーTONのブロックチェーンをつなぐセカンドレイヤーのソリューションだ。このブリッジは分散型金融における重要な機能を果たしており、取引に時間とコストがかかるファーストレイヤーのチェーンから、より優れたスケーリング能力を持ち、取引にかかる手数料がほぼゼロの新しいチェーンに資産を移す機会をユーザーに提供する。フリーTONブリッジは制限の多い既存のチェーンと比較して、ユーザーに与えようとしている自由度が高いことから、顧客の資金を自律的にコントロールする「DeFi型銀行」に例えられる。ひとつの違いは、銀行でお決まりとなる取締役会の代わりに、このコミュニティが分散型の自律的な組織によって民主的に統治されていることだ。

フリーTONは元々、現在は活動を停止しているTelegram Open Networkからコミュニティの主導により派生したものだ。今回、フリーTONは新たにBRIDGEトークンを追加してDeFiのオペレーションに大きな新風を吹き込んでいる。このトークンはプロジェクトの運営に必要な流動性を確保し、統治構造をユーザーに開放することで、フリーTONブリッジを機能させる手段として用いられる。

イーサリアムの低迷が長引く中、イーサ(ETH)の何が問題なのか、またどうすれば改善できるのかに注目が集まっている。イーサリアムの最も顕著な問題点は、スケーラビリティの限界と、取引手数料の高さの2つだ。特に、取引手数料(ガス代)の高さはETHユーザーの悩みの種だった。昨年の強気相場展開でイーサリアムは新たな高みに到達し、多くの新規参入者がユーザーの仲間入りを果たしたが、ガス代が法外に高いことが足かせとなり成長は伸び悩むこととなった。

フリーTONが目指すもの:コミュニティ主導のDeFi

イーサリアムの問題を踏まえて、いくつかのプロジェクトはネットワークの底力をより発揮できるようなソリューションを提供することを目指している。その中でも特に注目されているのがフリーTONで、イーサリアムを中心としたレイヤー2のエコシステムを構築し、独自のスケーリング機能とETHの数分の1の取引手数料を実現したことで知られる。

フリーTONプロジェクトは、Telegram社が独自のブロックチェーンネットワークを立ち上げる計画を断念せざるを得なくなったことで始まった。すでに構築されていたものをすべて無駄にするのではなく、この技術の価値を信じる人々が集まり、草の根的な資金調達と分散型ガバナンスのアプローチによって、自分たちでコミュニティを立ち上げようと行動したためだ。

フリーTONはブリッジ経由で機能する。Broxus社が開発したフリーTONブリッジはETHとフリーTONを接続するもので、ユーザーはこれを利用して双方向に、自由に資産を移動できるようになる。ブリッジを使うことの魅力は、イーサリアムのネットワークから離れることで、より多くの資産を、より高速に、かつETHの数分の1の価格で転送できることだ。

新しいBRIDGEトークンはエコシステムを強化し、セルフガバナンスを実現

フリーTONは現在、ネットワークの統治構造をさらに分散させる新しいBRIDGEトークンを発行している。このトークンがそもそも重要なのは、DAOを管理するための手段として機能するということだ。つまり、BRIDGEを保有するユーザーは誰でも、フリーTONブリッジに影響を与える決定に対して投票する資格を持つことになる。保有するトークンの数が多ければ多いほど投票権は大きくなる。さらに、発行されたトークンの総量の2%以上を蓄積すると、コミュニティ投票のために自分自身の統治案を出すこともできるようになる。 

さらに、BRIDGEトークンは、ユーザーがネットワークの運営においてより積極的な役割を担う機会を与えてくれる。10万BRIDGEトークン以上をロックインしたユーザーには、ブリッジのバリデーターである「リレー」になる資格が与えられる。フリーTONエコシステムの要となるのがこのリレーだ。リレーはプラットフォームが問題なく機能するために必要な流動性を確保するというコミュニティにとって不可欠なサービスを提供しており、各リレーには適切な報酬が与えられる。

他のブリッジングサービスとは異なり、フリーTONはブリッジ取引に手数料を適用していない。手数料は、ネットワークが蓄えた利益と、ユーザーが固定した流動性から発生する利息で賄われている。ユーザーが支払う唯一の手数料は、積立金を利付資産に変える権利を付与するためのものであり、これは時間が経つにつれてユーザーに有利に働く。BRIDGEトークンを取得することで、ユーザーは潜在的な利益機会を数多く確保するだけでなく、DAOのガバナンスモデルにおいて利益の分配方法を決定するための発言権を得ることができる。
トークンはtonswap.ioで購入可能だ。

BRIDGEのプレセールとエアドロップ

発行されるBRIDGEトークンは合計1,400万枚で、そのうち65%は4年間のファーミングに割り当てられ、12%はプレセールで提供される。さらに12%は長期的な開発者のモチベーションとしてBloxusと共有され、11%はFree Ton DeFi Allianceの管理下でパートナーシップトークンとして使用される予定だ。

プレセールの第1弾では6%のトークンが設定価格の2ドルで販売され、成功裏に終了した。今後、プレセールの第2弾が間もなく行われる。プレセールに加えて、ユーザーはフリーTONが実施するエアドロップに参加することでBRIDGEトークンを入手することができる。エアドロップの詳細と、プレセールに関する詳細はこちらを参照のこと。

フリーTONは、7月中旬にDAOの統治構造を有効にすることを暫定的に計画している。フリーTONのプロジェクトはすべての人にDeFiの恩恵を安価に、かつ画期的な方法で拡大しようとするもので、このプレセールとエアドロップを通じてユーザーはこの意義ある活動に参加することができる。フリーTONが目標を達成することができれば、DeFiの欠点を改善するとともに、業界の将来的な成長に向けたより持続可能なモデルの基礎構築に大きく貢献することができるだろう。