Free TONは昨年実施したコンテストで、400以上のバリデーターをネットワークに迎え入れた。「クリスタルゲーム」(Glass Bead Gameへのオマージュ)と称されたこのコンテストで、「Magister Ludi」の称号とトークンの賞金を賭けて、バリデーターたちはバリデーションサイクルを反復的に完了させる形で競い合った。そして今年も、(新規バリデーターに加えて)これらのバリデーターを対象にした新しいコンテストが開催された。この新規コンテスト「Rust Cup」は、Rustで書かれたTONノードを持つ実際のネットワークの状況下で、すべてのレイヤー1のブロックチェーンプロトコルのスループットを効率よく実施することを目指したものだ。
コンテスト参加者(バリデーター)を熱狂させたこの数か月を経て、Free TONのRust Cupは最新技術と業界最速のスピードを誇る安定したネットワークを実現。圧倒的な大成功をもってゴールラインに到達した。
今回、Free TONブロックチェーンは1秒に55,000以上(現在も増加中)のトランザクションを実現し、世界最速のブロックチェーンとしての記録を打ち立てた。2021年9月1日(1つのデーターセンターテストネットで64,000 TPSを達成した1週間後)の時点で、ネットワークはすでにRust Cupの最終ラップで55,000 TPSという史上最高値を実現している。
Free TONはいかにスループットの世界記録を更新したか
Free TONネットワークは2020年5月のローンチ以来、ユーザーの期待をはるかに上回る実力を発揮してきた。たった1年のうちに、開発チームはコアを含むすべてのオリジナルプロトコルを交換し、分散型、マルチシャード、かつマルチスレッドという特徴を兼ね備えた初のエンドツーエンド・ブロックチェーンを完成させた。これによりスマートコントラクトを並列で動かせるようになり、迅速なバリデーターローテーションや並列実行処理が実現したのは言うまでもない。マルチスレッドの並列実行を行う場合、各シャードにかかる制約はノードネットワーク接続とインターフェースのみだ。こうして制約が緩和されることで、各シャードを実行能力最大レベルまでスケーリングできるようになる。
Free TONのホワイトペーパーでは、オリジナルのコードでは現在Free TONが実現している数値を達成できない理由と、Nikolai Durov(ニコライ・ドゥーロフ)が提案したアーキテクチャから大幅に異なる理由が説明されている。
TON LabsのCTO兼共同設立者のMitja Goroshevsky(ミーチャ・ゴロシェフスキー)氏は、Free TONのAMAセッションで次のように述べた。「これは非常に複雑な技術タスクではあるが、私たちは記録的な時間でやり遂げた。面白いのは、3,000 TPSに到達するまでに6か月かかっているのに、2週間で60,000 TPSを達成したことだ。」
またチームは、バリデーターが増えれば、一秒で百万トランザクションまで記録を伸ばすことができるとコメントしている。
Free TONネットワークは、スループットだけでなく、その規模も拡大している。マスターチェーンには2億6,400万以上のブロック(平均ブロックタイムは0.2秒)と35万以上のアカウントがあり、ネットワークでは毎日平均2,500の新規アカウントが作成されている。この数字は、ネットワークがこの秋に新たなパートナーシップを締結し、エコシステムを強化していくにあたりさらに増加することだろう。
起業家にとって理想のエコシステム
自らの夢の実現を目指す起業家や開発者たちにとっては、「わずかな取引手数料」で「高速ネットワークスピード」を提供するプラットフォームは極めて魅力的だ。
Free TONが優れたスピード、信頼性、高度なセキュリティなど高い競争性を持つことは証明されているため、このプラットフォームには多くの誠実なサポーターやパートナーが集まっている。これから開催されるワールドチェスとのコラボレーションでは、バックエンドとしてFree TONが1億5,000万人のチェスプレイヤーに知られることになる。さらに、大量かつ瞬時の処理スペックを兼ね備えたネットワークを求める企業やその他事業体も増えており、中でもジョイントベンチャーのDePass(年間1,500万以上のチケットを販売する最大のソフトウェアチケッティングプラットフォームを有する)は特にFree TONを有望視している。これは、大量処理能力とスループットの双方を求めるタイプのパートナーに、Free TONがいかに優れているかを示す良い例だと言えるだろう。
スピードを重視する理由
仮想通貨の利用と可用性の観点からは、TPSのスループット技術のような特定のインフラが懸念されるのは当然のことだ。TPSは、システムによって取引が処理されるレートを直接決定することになるからだ。
個人や企業の財産を扱うシステムにとって、セキュリティはどれだけ強化しても足りることはない。システムの接続が遅く転送が遅延するといった事態は、急いで資金を処理したいユーザーにとってはシステムを疑う理由にしかならない。これは、ユーザー以外に誰も責任を負わないトラストレスシステムにおいて特に顕著な問題だ。
処理の遅延はシステムに対する信頼性や支援を失うだけでなく、実世界の関係者にも直接的な影響を及ぼす。家の購入、原材料の注文、投資、または日々の家賃の支払いなどこれらすべてに共通するもの、それは「期限」だ。期限の不履行が深刻な結果に繋がらず、形式的に処理されるのがベストではあるが、例えば家の購入や原材料の注文、支払遅延などは契約の不履行を意味するものであり、再交渉、契約の解除や機会の逸失の原因となることがある。
また、もうひとつのTPSの重要性は、ブロックチェーン技術のインフラストラクチャである。ブロックチェーンはお互いにバリデートするノードを使用することで機能する。インターネットは残念ながら完璧なものではなく、定期的なメンテナンスが必要だ。動画が突然バッファリングを始めたり、メッセージが送信されなかったといった場合はこのメンテナンスに問題があることが多い。トラストレスシステムはこれを検証することでローカルでのメンテナンスに起因する送金の全体的な失敗を防ぎ、エラーがあった際には資金を返還する。しかし、ビットコイン(BTC)の場合、送金は完了するまでに4日かかることがある。これは、1日でビットコインの価格が11%下落してしまう可能
Free TONとは
目標を実現するための適切なプラットフォームやツールを探している起業家、革新的かつ魅力的なコミュニティを探しているブロックチェーン愛好家にはFree TONがお勧めだ。Free TONコミュニティに参加するには様々な方法があるが、まずはコンテストに参加したり、コミュニティを作成・参加してみてほしい。テレグラムチャットではいつでも新たなアイデアを募集中だ。
Media contact
Joanne Eberhardt
TON Labs コミュニケーション部門バイスプレジデント