Crash Royaleのオフィシャルリリースは2016年3月にさかのぼる。カード系、タワーディフェンス系、マルチプレイヤーオンラインバトル系など様々な要素が組み合わさったこのゲームは、戦略性が高いゲームとして多くのプレイヤーが今でも名作の一つと挙げるのが印象的である。

メタバースと、その主要要素の1つを構成するプレイ・トゥ・アーン(Play-to-Earn(P2E))の成長ぶりに近年注目が集まっている。ゲーム世界における仮想資産の所有がブロックチェーン技術により可能となったため、P2Eモデルは実現可能であることが証明されている。一方、これまでの一般的なゲームをP2Eと統合し、その後もアップグレードし続けている経験豊富なゲーム開発者のおかげで、拡大し続けるP2Eブロックチェーンゲームには多種多様な作品が生まれている。

そのさなか、定番のP2Eブロックチェーンゲームの一つ、Magic Hat Studio制作のDragon Masterが、3月21日に正式リリースされた。

このゲームは、マルチプレイヤー・オンライン・バトル・アリーナ(MOBA)の中でコレクション、育成、防御、進軍、戦闘を行うというもので、プレイヤーにCrash Royaleとの類似性や同ゲームの世界観を思い起こさせるだろう。

Magic Hat Studioのチームリーダーであるルーカス・アダムス(Lucas Adams)氏は、「実は、Dragon MasterはCrash Royaleからインスピレーションを受けている」と語っている。
「Crash Royaleは、カードパックを購入し、デッキを構築して戦うというクラシックなゲームで、それ自身が魅力的なことは間違いない。しかし、我々はクラシックなゲームにも伸びしろがあるはずと考えている。このゲームについて言えば、プレイヤーがゲームにつぎ込んだすべてが、最終的にプレイヤーに本当の投資価値を生み出すことができないだろうかと考えた。現実世界で株や不動産に投資して資本価値を高めることができるのと同じように。つまり、プレイヤーの権利のために戦うというアイデアと、Crash Royaleというクラシックゲームプレイを合わせた結果が、このDragon MasterとそのNFT(nonfungible tokens)ということだ」

アダムス氏は、Dragon Master NFTsのデザインコンセプトは、「ゲームファーストであり、DeFi(分散型金融)はその次である」と明かしている。

Dragon Maseterのゲームプレイは、リアルタイムストラテジー、MOBA要素、コレクション、P2Eを融合させたブロックチェーンベースのメタバースゲームとしては初の試みとなる。

今後、ゲーム内に土地売買システムを導入し、プレイヤーが自分のホームタウンを自由に開発しながら守りを固め、バトルや資源略奪で力をつけ、グループと関わることができるようになる。

また、様々なドラゴンを部品とするNFTを使って、プレイヤーが自分だけのチームを作ったり、他者と戦ったりすることができるのだとアダム氏は言う。つまり、NFTはゲームに使えるだけでなく、常にプレイヤーに利益をもたらしてくれるアイテムなのである。

ドラゴンのNFTは1セット作成され、プレイヤーはランダムな交配によってそれを入手することができる。全セットを集めたプレイヤーは、スマートコントラクトでボーナスを持つレジェンドドラゴンを召喚することができる。

レジェンドドラゴンはドラゴンマスター市場の収益を分配することができ、毎日の取引手数料とイーサリアム(ETH)の収入がスマートコントラクトを通じて毎日自動的にプレイヤーのウォレットに支払われる。

ホワイトペーパーには、NFTインフレ問題を解決する方法が紹介されている:

「NFTインフレ問題」はほとんどのゲームが遭遇する問題で、我々はその解決策を模索している。ゲーム内の繁殖には通常の繁殖と突然変異の繁殖があり、突然変異により「複合スキル」を身に着けることができるという、ドラゴンという特性を生かしたコンセプトを考えたのである。

「通常の繁殖 」では、2匹の親ドラゴンからランダムな基本スキル1つを持った卵が1つ産まれる。突然変異種では卵に2つ目のスキルを持たせることが可能となるが、同時に2頭の親ドラゴンは犠牲となってしまう。結果、2頭のドラゴンを消費することで2つのスキルを持つレアドラゴンが1頭生まれ、2つ目のスキルは遺伝することになる。

「このように、NFTのインフレ問題は、「1 + 1=1」の論理で解決できる」とアダムズ氏は述べる。

アダムス氏は、プロジェクトの初期段階では、Dragon Master NFTはMagic Hat Studioのコアチームが担当し、将来的にはコミュニティメンバーが参加できるようになると想定しており、そのためには分散型自律組織(DAO)のガバナンスが必要であるとも述べている。

最後に、アダムス氏はDragon Masterの将来のビジョンをこう語る。「Dragon Masterは、ブロックチェーンベースのP2Eゲームから、バーチャルキャラクターや住居、さらにはキャリアを特徴とするドラゴンのメタバースへと成長していく。将来的には、アーティストや開発者が報酬を得ることができるようになることを目指している。プロジェクトが更に進んだら、完全に分散化されたDAOガバナンスを導入し、コミュニティメンバーが直接開発・運営チームを選択することができるようにしたい」

Dragon Masterは、ブロックチェーンゲーム界のダークホース的なプロジェクトとして、最近多くのゲームギルドで注目を集めている。インドにP2Eゲームのハブを作るためにPolygonと共同で構築しているYield Guild GamesのサブDAOであるIndiGG(IGG)は、IGGの最初のP2E対応プロジェクトとなったドラゴンマスターとの協力を発表し、IGGのインド市場拡大を後押しした。さらに、Dragon Masterは質の高いNFTプロジェクトとして、またPolygonのパートナーとして、Polygonの下でブロックチェーンゲームとNFTを担当するPolygon Studiosから資金提供を受けている。

White paper: whitepaper.dragonmaster.co