株式会社ラガルト・テクノロジー(本社:東京都新宿区、代表取締役:岡嶋 大介、以下ラガルト社)、とFuture Trade Markets Limited社(本社:セーシェル共和国ヴィクトリア市、代表取締役  Thomas Franco)は共同で、暗号資産イーサリアムとスマートコントラクトを使ったゲーミング・予測市場「弁天(Benten)」をリリースし、そのパイロット版(実証実験を兼ねた公開テスト)ゲームとして、7月21日投開票の参議院選挙における主要政党の議席数を予想するゲームを開催する。

 

技術の背景

スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で公正にソフトウェアを実行する基盤で、スマートコントラクト機能を備えた暗号資産のうち代表的なものがイーサリアムだ。(なおビットコインにはスマートコントラクト機能は7月12日時点ではない)

スマートコントラクトを使った予測市場用ツールとしてはすでにAugur (https://www.augur.net/)があるが、Augurはゲームの運営を一般参加者の自律に任せているのに対し、「弁天」はゲームの開催にある程度責任ある運営のできる事業者に限定している点が異なる。

 

運営形態とゲームの特徴

Future Trade Markets Limited社がイーサリアムネットワーク上のERC20トークン「弁天コイン」を発行し、イーサリアムと固定レートで交換を行う。一般参加者は、市中の取引所で購入したイーサリアムを弁天コインに交換し、それを使ってゲームに参加する。 

ブロックチェーンの特性上、

  • 参加者は自分のアドレス以外一切の情報を明かさずに、匿名のままゲームの参加とゲーム終了後の弁天コインの受領、またイーサリアムとの交換が行える
  • ゲームの開催と精算は世界中すべてのイーサリアムノード上のスマートコントラクト上で行われ、この処理自体に特定の国籍を持たない

という2つの大きな特徴がある。この点は、アカウント登録や入出金に時間的にも金銭的にも大きなコストがかかる既存のオンラインカジノに対し大きなアドバンテージになると期待される。

ラガルト社はこれに必要なソフトウェア一式を提供する役割だ。その一部はオープンソースになっている。

 

一般の参加者

一般の参加者は、イーサリアムウォレットを備えたブラウザを準備したうえで、既存の取引所で購入したイーサリアムをそのウォレットのアドレスに送ってから参加することが一般的だ。ウォレット付ブラウザも多数あるが、Chrome/Firefox用にはMetamaskという拡張機能を使うことが一般的だ。iOS/androidではTrust, Cipherがよく使われている。

 

参院選ゲームはこちらで開催している。

https://japan-election-2019.futurebet.market/

 

製品の今後

「弁天」は、Future Trade Markets Limited社が今後世界各国のゲーム運営会社にライセンスしながら、開催可能なゲームの種類を充実させていく予定だ。とりわけ、各国のオンラインカジノライセンス保有事業者向けに提供し、プロスポーツ等を題材にしたゲームの開催を主目標においている。

スマートコントラクトは新しい技術のため、実運用には問題もあると予想される。ゲームの開催を通した知見を活かし、ラガルト社はスマートコントラクトに関する技術開発・コンサルティング業務も並行する予定だ。

 

キャラクター

製品とバックグラウンドの技術に親しんでもらうため、オリジナルキャラクター「弁天」「祥天」を使って製品の告知や技術の解説を行っていく。

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