数多くの米国の上場投資信託(ETF)が、仮想通貨関連の株式に既に投資している。
ETF.comによると、何百ものファンドが、バランスシートにビットコイン(BTC)を保有している上場企業に投資している。
記事執筆時点で、88のETFがマイクロストラテジーの株式を保有し、144のETFがスクエアの株式を保有し、222のETFがテスラの株式を保有している。16のETFは、ビットコインマイニング企業の株式を直接保有している。
また約200のETFがブラックロックの株式を保有している。ブラックロックは2月、ビットコイン投資に「手を出し始めた」ことを明らかにしている。
仮想通貨へのエクスポージャーを持つETF
9つのファンドは、仮想通貨マイニング株やバランスシートにBTCを持つ企業の株式の両方を保有している。
ポートフォリオ全体のシェアでは、Amplify Transformational Data Sharing ETF(BLOK)は仮想通貨への最大のエクスポージャーを持っている。BLOKの割り当て先トップ10のうち7つは、仮想通貨企業となっている(ギャラクシーデジタル、マラソンデジタル、ボイジャーデジタル、Hut8マイニング、Hiveブロックチェーン、Riotブロックチェーン、アルゴブロックチェーン)。これらの企業の株式は、BLOKの資本の3分の1を占めている。
このファンドは、その投資先をその名の通り「変革的なデータ共有テクノロジー」を対象にしていると説明している。
BLOKは、これまでのところ、2021年のトップパフォーマンスのETFの1つであり、年初から71.7%上昇している。2021年では、すべてのETFの中で8番目に高いリターンを記録している。
Nasdaq NexGen Economy ETF (BLCN)も、仮想通貨関連に投資するETFの中でパフォーマンストップ100の中に入っている。年初からの23.15%の上昇となっており、82位に位置している。
BLCNは563万ドル相当のマラソン株、540万ドル相当のマイクロストラテジー株、524万ドル相当のスクエア株を保有している。
資産総額で最大のETF
資産の合計値でみると、Vanguard Total Stock Market ETF (VTI)は仮想通貨関連企業にもっとも多く投資しているETFだ。VTIは現在、27.7億ドル相当のテスラ株、4億7800万ドル相当のスクエア株、2940万ドル相当のマイクロストラテジー株、1138万ドルのRiotブロックチェーン株を持っている。
iShares Core S&P Total U.S. Stock Market ETF (ITOT)は、資産総額ではVTIに次いで2番目に大きいファンドとなる。4億5000万ドル相当のテスラ株、440万ドルのマイクロストラテジー株、386万ドル相当のマラソン株、312万ドル相当のRiot株を保有している。
こういった仮想通貨関連企業に投資するETFは存在する一方、ビットコインに直接投資するETFはいまだ米証券取引委員会(SEC)から承認を得られていない。既にフィデリティインベストメンツやスカイブリッジ、ヴァンエックなど、7つのビットコインETFが申請されているが、その当否はまだ決定されていない。