巨額の粉飾決算で米エネルギー企業エンロンを破綻に追い込んで有罪判決を受け、先月刑期を終えて出所したとされるジェフリー・スキリング元最高経営責任者(CEO)は、新たな事業を見込んで仮想通貨業界の専門家らと面会しているという。ウォールストリートジャーナル(WSJ)が3月22日に報じた。

スキリング元受刑者は、2004年にエンロン創設者ケネス・レイとともに逮捕され、2006年5月に共謀や詐欺、インサイダー取引など19の罪で有罪評決を受けた。当初禁錮24年を言い渡されたが、控訴審で12年に短縮されていた。エンロンは、スキリング元受刑者が2001年8月に退社したその数か月後に破綻している。

WSJの情報によると、スキリング元受刑者は、エネルギーファイナンス関連の新たなプロジェクト、投資家とオイル・ガス事業を結ぶデジタルプラットフォーム事業に向けてパートナーを模索中で、仮想通貨やブロックチェーン、ソフトウエア開発関連の専門家らと面会しているとしている。

一方で、同プロジェクトには仮想通貨やブロックチェーン技術は含まれないとの情報もある。米CNBCによると、オイル・ガス投資家を対象にしたソフトウエアプログラムの初期段階のプロジェクトだ。

しかしいずれにせよ、WSJとCNBCの報道によると、プロジェクトはまだ資金調達の過程で、複数人の顧問が秘密保持契約書に署名するよう求められたという。エンロンでエネルギー・サービス部門を統括していたルー・パイ氏も出資することに同意したとされる。

WSJによると、米証券取引委員会(SEC)は、スキリング元受刑者が再び公営企業の役員などに就くことを禁じている。

WSJによると、スキリング元受刑者は半年間過ごしたアラバマの矯正施設ですでに新たなプロジェクトに向けて面会を繰り返していた。CNBCも、スキリング元受刑者が「この新たなプロジェクトのアイデアを誰かにかすめ取られないか心配しているのは明らかだった」と報じている。

先日コインテレグラフが報じたように、石油などのコモディティ取引にブロックチェーン技術を活用する動きはすでに複数あり、Vakt(ヴァクト)は石油取引で発生するポストトレード業務にブロックチェーン技術を活用するプラットフォームをすでに開発。これには業界大手であるBPやシェル、シェブロンなどが参加している。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版
原文 WSJ: Ex-Enron CEO Meets with Crypto Experts for New Venture Following Prison Release