Bitfinexの”損失額分配負担案”は法廷で支持されるか

Bitfinexが被った損失の分配負担は法的に実行可能なのだろうか。コーネル大学の教授、Emin Gün Sirer氏はそうは考えていないようだ。

オンライン暗号通貨取引所であるBitfinexが今月の初めにハッキングの被害に遭い、巨額の資金が盗みだされた結果、ビットコインの価格はその日一日をかけて530ドルまでその価格を下げている。7,000万ドルの価値に相当するビットコインが失われたことを受けて、Bitfinexはその顧客基盤を利用し損失額を分配負担させる決断をしており、ユーザーは各々が保有する36%の暗号通貨を失うことになる。

しかしながら、この案は法廷では支持されない可能性が出てきている。IC3 (Initiative for Cryptocurrencies and Contracts)の共同設立者であるSirer氏によれば、Bitfinexの損失額分を顧客がシェアするという案は法的混乱を生む可能性があるという。

 

「弁護士とも話をしましたが、Bitfinexの“損失額分をユーザーで共有する”という案は法廷で支持される可能性はないとのことです。これは…とても興味深いことになりそうですね

 

― — Emin Gün Sirer (@el33th4xor) 2016年8月6日

 

Bitfinexハッキング事件の影響によって醜い結果となる可能性

 

Bitfinexが抱える全ての顧客ベースを以て損失額を皆で分配して負担するということに法的問題があるかどうか、ということ以上に、Bitfinexのハッキング事件の調査は困難を極めることが証明されてしまったかもしれない。Bitfinexでコミュニティ及び製品開発ディレクターを務めるZane Tackett氏Reddit上にこう投稿している―

 

「現在我々はFBIやヨーロッパの機関と共に調査にあたっている最中です」

 

目下メジャーな暗号通貨のハッキング事件に限ったことではない

 

現在の新たな暗号通貨開拓時代の中で、十分に確立されたシステムや、犯罪のトラックダウン能力、そして大規模な窃盗事件を起訴できるかといった材料が不足しているため、時折ハッキング事件が起こることが最早普通になってきてしまっている。

最近ではthe DAOがハッキングされ、数百万のイーサーが盗まれ、ハードフォークへと繋がり、イーサリアム・クラシックが生まれる結果となっている。数か月前には暗号通貨取引所のShapeShiftがハックされ、莫大な金額が盗まれ、ハッカーと交渉を経た後に部分的な金額奪還に成功している。

多くの場合、暗号通貨のハッキングは単なる強奪に過ぎないが、中には隠された利他的な動機を持っているであろうとハッカーも存在する。今年の初め、Phineas Phisherという名前で知られるハッカーが、シリアのロハバ地域におけるイスラム国との戦争資金としてクルド人への寄付目的で1万1,000ドル相当のビットコインを盗み出すという事件も起こっている。

  • フォローはこちら: