2月8日の仮想通貨相場は小幅な値動きとなっている。仮想通貨ビットコイン(BTC)は前日比ほぼ横ばいで9770ドル近辺で推移している。XRPは1.7%下落の0.27ドル台で取引されている。
イーサ(ETH)は2%上昇し、222ドル近辺で推移。BTC、ETH、XRPの主要通貨の中では、ETHがプラスを維持している形だ。ETHについては、分散型金融(DeFi)にロックされた金額が10億ドルに迫ったことを市場が好感しているとみられる。
ほかのアルトコインではビットコインSV(BSV)が15%上昇と、上げ幅が突出している。ダッシュ(DASH)も約7.5%上昇と好調なパフォーマンスを見せている。
仮想通貨取引所バイナンスが先物取引を発表したバイナンスコイン(BNB)は3%上昇となっている。
出典:Coin360 17:25時点
アルトコインの季節?
仮想通貨分析のアーケインリサーチは2月第1週のウィークリーレポートを公表した。
アーケインによれば、過去1週間の分析で大きなパフォーマンスを見せたのはアルトコインだ。イーサリアム(ETH)が過去1週間で20%上昇、XRPは18%上昇、トロン(TRX)は25%上昇となっている。またLisk(LSK)は49%上昇、NEM(XEM)が43%上昇となっている。
(出典:Arcaine Research BTC・ETH・XRPの増減率)
2月の第1週は仮想通貨市場全体で良好なパフォーマンスを見せた形だ。ただアルトコインの方がビットコインよりも高いパフォーマンスを示している。
アーケインは「今週、ビットコインはほとんどのアルトコインに遅れを取っている」と指摘する。
またアーケインは仮想通貨全体の時価総額の中に占めるマーケットシェアに注目。BTCのシェアが数か月ぶりに65%以下となった点に注目している。ほかの主要アルトコインがマーケットシェアを伸ばす中で、BTCはのシェアは63.39%となっている。
ビットコインの取引高は上昇傾向
とはいえ、ビットコインの取引高は12月を底に上昇傾向にある。過去1週間でも上昇を続け、1日あたり約7億ドルで安定している状況だ。アーケインは「健全なトレンドが続いている」と分析している。
(出典:Arcaine Research ビットコインの週間取引高)
またGlassnodeのデータをもとに、ビットコインの実現時価総額が過去最高に達した。アーケインはビットコインに新規マネーが流入しているとし、強気のシグナルであると分析している。
アーケインは、ビットコインが最後に移動した時間に基づいて時価総額を評価。それによれば、ビットコインの実現時価総額(Realized Market Cap)は1,035億ドルに達した。
200日間移動平均線がサポートに
今後のトレンドについて、アーケインはいくつかのモデルを示している。ビットコインの希少性に基づいて分析するストック対フローモデルでは、現在のBTC価格とほぼ一致するとしている。
長期的な成長トレンドでみれば、ビットコインは1万3000ドルをターゲットにしていると分析している。
ビットコインがこのまま上昇し続ければ、過去の傾向から1万ドルを上回った辺りがレジスタンになると予測している。
また仮にBTCが反落するとなれば、200日間移動平均がサポートになると可能性があるとしている。
(出典:Arcaine Research)
上値は重い展開か
ディーカレットのアナリストの菊地泰史氏はウィークリー・マーケットレビューの中で、節目となる1万ドル(110万円付近)にかけては、「徐々に上値が重くなることが想定される」と指摘している。
コロナウィルスへのリスクオフ懸念については、「ウィルス関連のヘッドラインに対するマーケット全体の反応が薄れてきた」とし、また年初の米イラン対立のような地政学的なリスクに比べてビットコインマーケットへの影響は「限定的のように見える」としている。
1万ドル突破についてはさらなる強い材料が必要になるかもしれないと指摘する。一方、調整したとしても大きなげらくとはならず、200日移動平均線がサポートになるとしている。
【関連記事:仮想通貨ビットコインの取引数、昨年9月以来の水準回復】
【関連記事:テスラ株、2017年のビットコインと同じ運命?|イーサのみプラス維持】
【関連記事:イーサ急騰、DeFi(分散型金融)ロック資金の大台到達で|コンセンシス解雇は売り圧力?】